本文
リスクに対する脆弱性評価
評価の枠組み及び手順
強靭化を図るため、想定するリスクに対し、現状の取組や施策における課題(脆弱性) を点検する。
想定するリスク
本計画では、市民生活及び市経済に大きな影響を及ぼすリスクとして、南海トラフ地震、山崎断層・上町断層等活断層地震、日本海地震などに加え、風水害による豪雨、土砂、高潮災害を想定する。
<参考>過去の地震災害及び風水害の発生状況
番 号 |
発 生 年 月 日 |
(推定)規模(M) |
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1 |
599年5月28日 |
(推古7年4月27日) |
7.0 |
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2 |
701年5月12日 |
(大宝1年3月26日) |
7.0 |
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3 |
745年6月15日 |
(天平17.年4月.27日) |
7.9 |
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4 |
827年8月11日 |
(天長4年7月12日) |
6.5~7.0 |
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〇5 |
868年8月3日 |
(貞観10年7月8日) |
7.0 以上 |
播磨国地震 |
〇6 |
887年8月26日 |
(仁和3年7月30日) |
8.0~8.5 |
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7 |
938年5月22日 |
(承平8(天慶1)年4月15日) |
7.0 |
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8 |
1096年12月17日 |
(嘉保3(永長1)年11月24日) |
8.0~8.5 |
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9 |
1361年8月3日 |
(正平16年6月24日) |
81/4~8.5 |
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10 |
1449年5月13日 |
(文安6(宝徳1)年4月12日) |
53/4~6.5 |
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11 |
1498年9月20日 |
(明応7年8月25日) |
8.2~8.4 |
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12 |
1510年9月21日 |
(永正7年 8月8日) |
6.5~7.0 |
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13 |
1579年2月25日 |
(天正7年1月20日) |
6.0±1/4 |
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14 |
1596年9月5日 |
(文録5 (慶長1) 年7月13日) |
71/2±1/4 |
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15 |
1662年6月16日 |
(寛文2年5月1日) |
71/4~7.6 |
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16 |
1707年10月28日 |
(宝永4年10.月4日) |
8.4 |
宝永地震 |
17 |
1751年3月26日 |
(寛延4(宝暦1)年2月29日) |
5.5~6.0 |
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18 |
1854年12月23日 |
(嘉永7(安政1)年11月4日) |
8.4 |
安政東海地震 |
19 |
1854年12月24日 |
(嘉永7(安政1)年11月 5日) |
8.4 |
安政南海地震 |
〇20 |
1864年3月6日 |
(文久4(元治1)年1月28日) |
61/4 |
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21 |
1891年10月28日 |
(明治24年) |
8.0 |
濃尾地震 |
〇22 |
1916年11月26日 |
(大正5年) |
6.1 |
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〇23 |
1925年5月23日 |
(大正14年) |
6.8 |
北但馬地震 |
〇24 |
1927年3月7日 |
(昭和2年) |
7.3 |
北丹後地震 |
25 |
1927年3月12日 |
(昭和2年) |
5.2 |
京都府沖 |
26 |
1946年12月21日 |
(昭和21年) |
8 |
南海地震 |
30 |
1963年3月27日 |
(昭和38年) |
6.9 |
越前岬沖地震 |
◎ 32 |
1995年1月17日 |
(平成7年) |
7.3 |
兵庫県南部地震 |
33 |
2000年10月6日 |
(平成12年) |
7.3 |
鳥取県西部地震 |
〇34 |
2013年4月13日 |
(平成25年) |
6.3 |
淡路島付近を震源とする地震 |
(注1) ○は県内のいずれかに震度6以上の揺れがあったと推定される地震
◎は県内のいずれかに震度7の揺れがあった地震
(注2) なお、『鎮増私聞記』によると、1412 年に播磨国で大きな地震が発生したとされている。
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災害の名称 |
発生年月日 |
死者 |
負傷者 |
被災地域 |
梅雨前線等 |
梅雨前線による豪雨 |
昭和7年7月1日~2日 |
44 人 |
19 人 |
主として東播磨地域 |
梅雨前線による豪雨 |
昭和13年7月.3日~5日 |
731 人 |
1,463 人 |
県内全域(特に神戸市) |
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梅雨前線による豪雨 |
昭和36年6月24日~28日 |
41 人 |
119 人 |
阪神・淡路・東播磨地域 |
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昭和 42 年7月豪雨 |
昭和42年7月9日 |
100 人 |
102 人 |
阪神・淡路地域 |
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昭和 46 年7月豪雨 |
昭和46年7月17日~18日 |
22 人 |
100 人 |
西播磨地域 |
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平成 26 年 8 月豪雨 |
平成26年8月16日~17日 |
2 人 |
4 人 |
主として丹波地域 |
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台風 |
室戸台風 |
昭和9年9月21日 |
281 人 |
1,523 人 |
県内全域(特に神戸・但馬・淡路) |
枕崎台風 |
昭和20年9月17日~18日 |
19 人 |
62 人 |
県内全域(特に宍粟、但馬) |
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阿久根台風 |
昭和20年10月8日~11日 |
231 人 |
92 人 |
県内全域(特に西播磨、東播磨、但馬) |
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ジェ-ン台風 |
昭和25年9月3日 |
41 人 |
904 人 |
県内全域 |
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伊勢湾台風 |
昭和34年9月26日 |
19 人 |
242 人 |
主として但馬・丹波地域 |
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台風 16 号 |
昭和35年8月29日 |
32 人 |
65 人 |
主として神戸・阪神地域 |
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第2室戸台風 |
昭和36年9月16日 |
10 人 |
134 人 |
主として神戸・阪神・淡路・但馬地域 |
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台風 23、24 号 |
昭和40年9月10日~17日 |
39 人 |
765 人 |
県内全域 |
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前線及び台風 17 号 |
昭和51年9月8日~13日 |
16 人 行方不明3人 |
41 人 |
県内全域(特に宍粟郡一宮町) |
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前線及び台風 10 号 |
昭和58年9月24日~29日 |
13 人 行方不明1人 |
16 人 |
県内全域(特に東播磨・丹波地域) |
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前線及び台風 19 号 |
平成2.年9月17日~20日 |
2 人 |
12 人 |
県内全域 |
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台風第 23 号 |
平成16年10月20日~21日 |
26 人 |
134 人 |
県内全域(特に但馬・淡路) |
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台風第9号 |
平成21年8月9日~10日 |
20 人 行方不明2人 |
7人 |
主として西播磨地域 |
(注)昭和以降の死者 20 人以上の災害に加え、流出土砂量の大きかったもの、海岸被災箇所の多かったもの等を記載している。
起きてはならない最悪の事態の設定
8つの「事前に備えるべき目標」とともに、その妨げになるものとして 35 の「起きてはならない最悪の事態」を設定する。
横断的分野の推進方針
「起きてはならない最悪の事態」全般に係る横断的分野として、「リスクコミュニケーション」「人材育成」「官民連携」「老朽化対策」の4分野を設定した。
広域連携が必要となる取組
「起きてはならない最悪の事態」全般に係る広域的分野として、「国管理施設、県管理施設及び一部事務組合管理施設の整備」を設定した。
評価の結果
脆弱性評価結果の主なポイントは次のとおりである。
インフラの防災対策整備をさらに推進すること
- 生活・社会基盤の耐震化
- 防潮堤の整備等、津波対策
- 災害時の輸送を支える道路ネットワークの構築
- 港湾機能の強化
- 治水対策・山地防災・土砂災害対策
市民と行政の災害対応力を向上させること
- 庁舎等の耐震化
- 関係機関の連携による救助・救急体制の整備
- 情報の収集、共有、発信力の強化
- ハザードマップ等の作成及び周知
- 避難体制の確保、訓練の実施
- 地域防災組織の充実
- 食料、燃料等の備蓄
- 災害対応の担い手となる人材の育成
- 防災関連機関、公益的事業を営む企業、近隣自治体や県との連携強化
早期に復旧復興体制を整えること
- 事業所、金融機関等のBCP(事業継続計画)策定
- 災害廃棄物処理体制の確保
- 復旧・復興を担う人材の育成
- 災害ボランティア活動支援体制の確保
- 県域を越えた連携強化