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平成28年度 淡路市長施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2016年2月22日更新
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(市政運営所信)
 開会に当たりまして、新年度予算案及び関連諸議案の提案に際し、市政運営への所信を明らかにし、議員各位、市民の皆様のご理解とご賛同を賜りたいと思います。
 故郷、淡路島の躍進は、約108年前の明治41年、洲本町が鐘紡紡績工場への用地無償譲渡から始まったと言われています。
 そして、過疎少子高齢化の促進の要因とも言われた、島の財産、建設費約5千億円を要した明石海峡大橋供用から約18年、市には緩やかに追い風が吹いています。
 津名郡旧5町、津名、一宮、北淡、淡路、東浦が合併を選択し、淡路市が誕生した、2005年(平成17年)は、日本の人口が、1899年(明治32年)の統計開始以来初の自然減を始めた年であります。
 その節目の年の出発に当たり、私が市民にお願いしたことを再度申し上げます。
 行政の現場である私達は、官僚主義から脱却しなければなりません。
 一つは、 官僚制組織に見られる硬直化した行動様式や意識、専横(我が儘や横暴)・形式主義・秘密主義・事なかれ主義・非能率と指摘されるものからの脱却です。
 二つは、 セクショナリズム。集団内部で自分の属する部門に立てこもって排他的となる傾向。所謂、縄張り根性・派閥主義・セクト主義等の排除です。
 三つは、 前例踏襲主義を見直すことでした。厳しい局面でかばい合う・改革提案が無い・文書優先主義・減点主義といったことの意識改革です。
 これらの多くは、改革よりも安定、指摘よりも沈黙を優先する地域にありましては、禁じ手に近いものでありました。何よりも市民のご理解と、ご協力をお願いします。
 過渡期の今、それらを断行しなければならない状況が、淡路市にはあります。
 そして、多くは、対外的評価となって今、活かされてきました。

 さて、昨年は何と言っても、「合併10年の検証」に尽きました。これまでしてきたことを振り返り、それを検証することによって明日の方策を考える年でした。
 そのことを糧に、今年は国が決めた残された5年間という期間の中で、5町の課題を更に解決し、新市としての施策を実行に移していかなければなりません。
 一宮地域では、1989年(平成元年)に開園した香りの公園が、2年後に30周年を迎え、その準備が急がれます。
 北淡地域では、事務所周辺整備、脚光を浴びている文化財の更なる調査発掘、旧北淡荘等未利用施設の整理整備。
 岩屋地域では、フェリー乗り場跡用地の再利用、岩屋ポートビルの再整備、田ノ代海水浴場の復活再整備、鵜崎未利用地の利用促進のための環境整備。
 東浦地域では、夢舞台ニュータウンの企業誘致促進、住宅施設建設と物流拠点施設の事業化。
 津名地域では、島内の交通結節点として、県立淡路医療センターから舞子までの公共交通の拡張。認定こども園、小、中、高、大学の連携教育の更なる推進。
 これら夢と希望が混在する事業の推進は、新生淡路市の次の一手として実現、若しくは方針決定をしていかなければなりません。
 そして、市最大の課題は、南北に長く、西、東海岸を擁し、五つの核が散在する地形的課題の対応です。特に、それらを補てんするには効率的な道路網の整備が重要です。合併支援道路等の推進によりほぼ、形は整いつつあります。
 南北は、国道28号、県道31号福良江井岩屋線、神戸淡路鳴門自動車道、東西は、県道71号富島久留麻線、県道88号志筑郡家線により確保されています。
 残された東西道路は、北淡インターから淡路市役所庁舎へつながる道路です。これにより、東西南北6路線が市の一体化を更に促進します。そして、地形的中心の地域の開発も可能となります。
 さて、淡路島も明治維新の荒波から、幾多の歴史の節目を乗り越え、今があります。敗戦直後、島の人口は23万人程と最高になり、昭和の大合併で1市10町が誕生し、鳴門大橋架橋から明石海峡大橋架橋までの10年間程が、洲本市在住の福谷(ふくたに)学(まなぶ)先生の言葉「津名引け」と言われた現象で津名港周辺が脚光を浴びました。
 そして、あの阪神・淡路大震災、復旧復興を着実に推進して行く中、旧津名郡地域も少子、高齢化という課題に対面しながら、架橋の便利さという膨大な財産を得る代わりに、船員等の雇用の場の喪失、船着き場等の生活の場の壊滅といった別の課題を担いました。
 淡路市はそうした課題の現実を直視し、身の丈に合った市政運営を確立するため、当然、市のべ一スである市民サービスの向上を最大の目標としながら、近未来の次の一手に挑まなければなりません。
 それは、(1)大阪湾岸道路計画(紀淡連絡道路計画)の推進であり、四国新幹線計画に淡路島が参画すること等です。それにより、島にかつて有った新幹線駅計画が実現します。そのことは、神戸淡路鳴門自動車道を127年前に提案された故大久保香川県議会議員、63年前、「何事も夢なかりせば叶いません」と後押ししてくれた故原口神戸市長、そして、故原、永田両国会議員等への恩返しにつながります。
 その他に、動き始めている県立淡路佐野運動公園野球場の雨天練習場と夜間照明整備に加え、(2)関空からのインバウンド海上交通の復活、(3)JR舞子駅に新快速を止める運動で淡路島の玄関口の利便性を高めること、(4)職員提案による情報発信の基地、FM放送の実現、そして(5)淡路夢舞台における地域創生のモデル事業の展開、(6)あわ神、あわ姫号の市民観光バスを南進増強させて、津名高校から伊弉諾神宮へも回遊させて、市内の交通弱者対策を補強しながら、県立淡路医療センターへの南進、そして、いずれは本土への北進延長の夢です。
 これらは、淡路市が担っている課題、洲本市と人口を比較すると、有権者では淡路市が多いのに、トータルでは少ないという極端な高齢化のアンバランスを解決する方策につながります。
 皆さん、一歩、夢に向かって踏み出しましょう。

 さて、淡路市は、平成17年の合併から、平成26年度、節目の10年を経過し、昨年は合併10年を検証しました。施設整備や事務事業などが10年間でどのようなものであったのか、また、課題としてどのようなことが見えてきたのか、これまでの確認、反省に基づく評価をし、淡路市の5年後を見据えて身の丈に合った持続可能な地域運営を確立していけるか、今後の方向性をどうしていくのかを各分野において整理しました。

 合併当初は、財政再建、旧5町の融和、安全・安心対策等への取組を最優先課題として、バランスに配慮しながら、新市の一体感の醸成に努めてまいりました。
 また、阪神・淡路大震災からの復興事業、台風による復旧事業などにより、財政負担が大きく危機的ともいえる財政状況になっており、さらに、平成19年には、「地方公共団体の財政の健全化に関する法律」が施行され、健全化判断比率の一つである、将来負担比率において、基準の350%を上回る371%となり、このままでは、自己決定権の無い早期健全化団体に陥ることから、これまでの行政の継続性と安定性を確保し、市民と共に痛みを分かち合い、行政コストを削減しながらサービスの維持向上を図り、限られた財源で大きな効果を生み出していくため、徹底した行財政改革にも取り組んでまいりました。その結果、財政運営では平成26年度決算における財政指標の、実質公債費比率19.7%、将来負担比率229.2%と毎年数値的な改善を図りながら、徐々にではありますが財政の健全化を確保し、身の丈に合った持続可能な財政運営を確立するため、一歩ずつ着実に歩んでまいりました。

 これまで、淡路市として、小学校・保育所の統廃合とその基幹となる施設整備、また、重要施策の一つである企業誘致では、阪神間に近い地理的優位性を生かして、雇用創出を義務付け、花博跡地などに38社の企業誘致に成功し、また、女子プロ野球「兵庫ディオーネ」の誘致など、就業機会を増やし、若者が定着できる施策に積極的に取り組んできました。

 少子化対策では、出会いから子育てまで幅広く、多子世帯に視点を置いた施策に積極的に取り組み、教育では、あさひプロジェクト、ICT機器を活用した授業の取組である「タブレット活用教育」を先導的に展開し、生徒の学力向上と教職員の資質向上などの生徒児童の充実を図るための学校づくりを目指してきました。

(平成27年の出来事)
 そうした中、昨年度をふり返りますと、
 まずは、淡路市は、2015年(平成27年)4月1日で市制発足から10年を迎えました。10年を振り返り、ともに祝い、未来に向けた更なる飛躍を誓い合うため、11月に市制10周年記念式典を開催しました。
 観光政策面では3月から5月にかけて、淡路花博2015花みどりフェアが淡路会場を中心として開催されました。
 7月には、東京の丸の内国際ビル内に「淡路島アンテナショップ」を常設し、線香、そうめん、ちりめんなどの特産品の展示・販売、観光情報も提供し、淡路市東京事務所としての機能も発揮しています。
 防災対策面では、4月に女性消防団員(しずかファイヤーズ)26人が誕生し、火災予防運動等災害時の後方支援など女性の持つ特性を効果的に発揮できる分野で活躍しています。
 公共交通面では、淡路島と本土との交流と生活を支え、地域活性化に欠かすことのできない公共交通であり、災害時に明石海峡大橋が通行不能となった場合の緊急・救援的な輸送手段の確保として、8月に明石海峡航路の新高速船「まりん・あわじ」を建造し、岩屋港と明石港の海上航路に就航させ、9月以降には125cc以下のバイクも乗船できるようになり、「速く乗り心地がいい」と好評であります。

 企業誘致面では、新たに5社の進出も決まり立地企業は38社を数え、「いつかきっと帰りたくなる街づくり」のキャッチフレーズの一つでもある「積極的な企業誘致」の施策を展開し、人口減少等の地域の課題に対し取り組んできました。

(淡路市の新たなるステージ)
 そうした中、淡路市の新たなるステージとして、
(少子化対策)
 まずは、「少子化対策」について、淡路市で子育てをし、住み続けることへの思いや移住したくなるきっかけづくりとして、多子世帯の幼児を育てやすい環境及び子育てに係る経済的な軽減を図るため、「多子世帯応援施策」第2子以降の子どものうち3歳児以上の保育料の無料化を実施します。
(特色ある教育)
 次に、「特色ある教育の充実」について、豊かな心、健やかな体、生きる力を伸ばし、将来を担う人材を育成します。
 特徴的施策は、先進的な「タブレット活用教育」、義務教育9年を見据えた教育を実施する「あゆみプロジェクト」、野島断層保存館での防災教育、国生み研究プロジェクトなど、教育委員会との連携を強化し、一丸となって取り組みます。また、従来の保育所機能に加え、保護者の就労の有無に関わりなく、3歳児以上就学前の幼児を受け入れて、教育・保育を一体的に行う機能、さらには、全ての子育て家庭を対象に、子育て不安に対応した相談活動や、親子の集いの場の提供などを行う機能としての施設、認定こども園の施設整備に取り組みます。
(企業誘致)
 次に、「企業誘致の積極的な推進」について、職住一体のコンパクトシティーを目指す「淡路夢舞台サスティナブル・パーク」は、企業の誘致が進み、刻一刻とその姿を変えつつあります。今後も地域の中核として一体感のあるニュータウンとしてのまちづくりを目指します。
(観光施策)
 次に、「総合的観光施策の充実」について、淡路島の海・山・川などの自然、明石海峡大橋、豊かな食材などを生かし、淡路市は「世界的観光立島」を掲げています。食材を使った「具-1グランプリ」おむすびコンテスト、東京に設置した淡路島アンテナショップ・淡路市東京事務所、新高速船「まりん・あわじ」の就航など、ふるさと淡路の良さを伝えるなど、更なる市の魅力のPRに努めてまいります。
(地域創生総合戦略)
 さらに、地方の人口減少に歯止めを掛け、首都圏への人口集中を是正し地方の自立的な活性化を促す取組として、国においては「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定されるなど、国と地方が一体となった取組が求められている中、淡路市においても10月に国が示す地方創生の基本的な考え方や政策5原則、一つは自立性、二つは将来性、三つは地域性、四つは直接性、五つは結果重視といったことを踏まえ「淡路市地域創生総合戦略」を策定し、人口減少等の課題の克服と、更なる地域創生を目指します。

 淡路市地域創生総合戦略には、4つの基本目標があります。一つ目は雇用面として、「人口増加に向けた雇用施策の展開」、二つ目は転入・転出面として、「定住促進と転出抑制に向けて(訪れたい、暮らしたい淡路市へ)」、三つ目は結婚・出産・子育て面として、「人をつなぎ、まちを継ぐ。サスティナブルシステムが担うまち」、四つ目は地域連携として、「地域の魅力がつなぐ、みんなが支え合い協力し合うまちづくり」を、基本目標に掲げ施策の展開を図ることとしています。
(ふるさとづくり推進)
 淡路市夢と未来へのふるさと寄附金、ふるさと納税制度は、「ふるさとに貢献したい」、「ふるさとを応援したい」という気持ちを自治体へ寄附し、気持ちをかたちにすることができる制度です。淡路市では、2008年(平成20年度)から2014年(平成26年度)までで、累計5億2,300万円余の寄附金が寄せられました。2016年(平成28年)1月末現在では、4億1,800万円余りの寄附金をいただき、総累計は実に10億円近くとなりました。篤志家である寄附者の方々の意向を尊重し、淡路市の活性化に向けて、「地域づくり」、「環境保全」、「教育の推進」、「観光振興」などに有効に活用させていただきます。
 さらに、淡路市の温もりや優しさが伝わるふるさと産品の取組を行い拡充していきます。
(財政健全化)
 普通交付税において、2016年(平成28年度)からは段階的に縮減され、初年度では、合併算定替えと一本算定の差額の1割が縮減されることとなります。そうした状況の中、普通交付税の減に伴って標準財政規模も小さくなり、財政の健全化指標にも影響が及ぶことが予測されることから、引き続き地方債の繰上償還や発行抑制を行い、指標の改善に努めてまいります。
 また、指標の一つの実質公債費比率において、平成26年度決算では19.7%と、事業費の経費に充てる財源として借り入れている地方債において、県の許可が必要な団体(18.0%以上)となっており、許可団体脱却に向かって、今年度も地方債の繰上償還(約12億円)を実行し、2016年(平成28年度)決算において許可団体の18.0%以下となるよう努めます。
 こうした中、今年度は国が決めた5年という期間の中で、旧5町の課題を解決し、新市としての施策を展開していきながら、これまで同様、身の丈に合った市政運営を確立し、市民サービス向上を最大目標に歩んでいきます。

(平成28年度当初予算)
 さて、淡路市の平成28年度当初予算でありますが、
(合併10年の検証)
 淡路市は、「合併10年の検証」を基に新たなるステージに向かって、本庁2号館の完成により、これまでの一部の業務を津名事務所で行っていた課題を市役所本庁舎に集約し、窓口ワンフロアーサービスを実施します。また、津名事務所庁舎は、例えば、集合庁舎として利活用するなど、淡路警察署立寄所、社会福祉協議会事務所、シルバー人材センター、民生児童委員、文化団体などの利用に供する方向で進めてまいります。
 さらに、親子の絆を深め、心豊かに子育てできるよう支援する場として、同敷地内に子育て学習センターを整備します。
 また、地域事務所など公共施設の整備として、北淡事務所・北淡センター、東浦事務所の施設整備に着手します。
 二つ目は、市民と行政が協働し、地域の課題解決や魅力あるまちづくりを行うため、多様な行政情報や生活関連情報、防災情報などを適切に伝達する情報発信の整備を行います。
 次に、市民と行政が将来像や目標を共有し、まちづくりを進めるため、協働の指針である「淡路市第2次総合計画」を策定します。この計画の策定に当たっては、市民の意向調査、各種団体などの意見などを聴取しながら骨子案を策定し、その後パブリックコメントなどを経て策定します。
 また、志筑新島の大規模商業施設に設置しています消費生活センターの施設が拡充されたことに伴い、消費者対策として、さらに充実した機能を果たせるよう、相談・教育業務等を強化し、今後とも市民の安心・安全な生活を実現するため、関係機関と連携を図り、消費者行政の推進に努めます。
 三つ目は、社会情勢の変化による、教育・保育需要の高まりに対応するため、子ども・子育て支援のための地域における中核的な施設としての機能を有する、より高度な施設の整備、「認定こども園」の整備にも着手します。
 四つ目は、市民の日常生活に欠かせない移動手段の確保、交通弱者対策など、淡路市内の公共交通網の構想にも取り組みます。
 さらに、淡路地域の公共交通機関の要である高速バスの共通乗車化に向けて、バス利用者の利便性に重点を置いた施策として、高速バスIC化促進事業を実施します。
 五つ目は、従来から実施している淡路聴覚障害者センター活動に加え、手話に関する施策の推進について委員会を設置し、その推進方策について検討をします。また、職員への手話研修や、窓口へのテレビ電話設置などにより、手話の使いやすい環境整備につなげ、手話を必要とする人たちへの理解促進及び手話の普及に努め、手話を日常的に使用できる環境づくりに取り組みます。
 六つ目は、東京オリンピック・パラリンピックの事前合宿やウエスタンリーグ誘致、淡路市を本拠地とする兵庫ディオーネの環境整備、さらには地元住民の利便性の向上による更なる地域の活性化、地域のスポーツ振興を図ります。
 七つ目は、岩屋地域と一部東浦地域が共有する鵜崎護岸の現況調査を実施し、その腐食度、健全度を把握し今後の対策の方向性を検討してまいります。
 八つ目は、イノシシによる農作物被害については、より深刻化している状況であり、防護柵の設置促進といった被害対策と、イノシシ個体数を減少させる捕獲対策についての事業を引き続き強化しながら、新たに、イノシシを製品化して利活用するため、「食用とするための捕獲」の調査研究を進めます。
 九つ目は、市民サービス向上の観点から、コンビニエンスストアにおいて、戸籍、住民票、印鑑証明書等の各種証明書が取得できるよう、環境整備をします。
 このほか、窓口業務において、申請手続などの簡素化を図るため、窓口受付システム(簡易型自動交付機)を合わせて設置し、市民サービスの向上に取り組みます。

(地域創生総合戦略)
 次に、淡路市地域創生総合戦略では、
 一つ目は、「人口増加に向けた雇用施策の展開」において、Uターン者を常時雇用した事業所、インターンシップを受け入れた事業所に対する支援、また、農業経営の安定化と定着を図るための、新規の起業者支援・就農者経営基盤強化策など、農業、商工業全体の振興に取り組みます。
 二つ目は、「定住促進と転出抑制に向けて」において、世界的観光立島・淡路市の実現に向け、食・PR・教育の事業を主都市で展開し、淡路市の魅力を高め、定住・交流人口を図るため、「具―1グランプリ」、「くにうみ神話PR」、「インバウンド推進」などの事業を実施します。
 三つ目は、「人をつなぎ、まちを継ぐ。サスティナブルシステムが担うまち」では、子どもたちが次世代の担い手として成長し、ふるさとを未来につないでゆくことを願い、結婚推進活動サポート事業・赤ちゃん未来の宝物事業・学びたくなる学校づくりとしてタブレット活用教育推進事業など、出産・子育て・教育等の施策に取り組みます。
 四つ目は、「地域の魅力がつなぐ、みんなが支え合い協力し合うまちづくり」について、公共交通網において、市民の日常生活に欠かせない移動手段の確保、交通弱者対策など、淡路市内の公共交通施策の検討、地域住民が主体的に取り組む自主防災組織への環境整備への支援などを行います。

(その他主要施策)
 次に、その他主要施策の概要についてですが、
 まずは、
【国際交流】、
 豊かな人間性を育むため、子どもの頃から外国人たちを身近に感じ、日常を分け合うことが大切なことから、姉妹都市であるアメリカ合衆国のセントメリース市やウエストブルームフィールド図書館への青少年海外派遣交流や中国浙江省(せっこうしょう)義(い)烏(う)市(し)との友好都市提携に基づき博覧会への視察団派遣、姉妹都市提携30周年を迎えるセントメリース市とブラジルのパラナグア市に友好使節団を派遣します。
また、積み上げてきた中国浙江省(せっこうしょう)義(い)烏(う)市(し)との連携も更に推進していきます。

【定住化と企業誘致】では、
 意欲ある都市住民を受け入れ、地域協力活動に従事する中で定住に結び付けるとともに、地域の活性化、また、隊員が市内で起業する場合の支援など、地域おこし協力隊推進事業を実施します。
 「幸せを感じ わかちあう街」淡路市として、観光客だけでなく、市内にも相手を大切にする風土を育て、事あるごとに「幸せ」を主題にした市民活動が活性化し、日本一の幸せがある町のイメージを定着させるための施策を展開します。
 企業誘致では、奨励制度の充実。インフラ整備など、企業が立地しやすい環境づくりに向けた支援を行うことで、就業の機会や場を増やし、若者の定着を図るなど人口増加にもつながるため積極的に誘致活動を行っていきます。

【安全安心なまちづくり】では、
 市民の安全安心な暮らしを守るため、地域や企業等に防災意識の向上を図るため、防災リーダー等の養成、異常気象などによる局地的な集中豪雨及び今後想定される南海トラフ巨大地震等に備え、災害から速やかに避難できるよう、避難経路、避難所の環境整備、備蓄品の確保、さらには、南海トラフ巨大地震の発生で津波被害が想定される全ての地域(兵庫県内)で住民参加型一斉避難訓練を「津波防災の日」11月に実施する予定で、防災無線や携帯電話のエリアメールで地震発生を伝え、参加する住民は指定場所まで実際に避難する訓練をします。
 また、防災行政無線に代わる新たな情報伝達手段の検討のほか、自主防災組織等の活動支援を進めます。
 海岸保全面では、海岸保全施設の背後地にある住家の安全性を確保するため、施設の老朽化対策及び耐震調査を行い、長寿命化計画を策定します。
 農業施設面では、災害などによる住民の安全を確保するため、ため池の適正な維持管理を図り施設の長寿命化を図る取組を行います。
 また、適切な管理が行われていない空き家等が防災、衛生、景観等の地域住民の生活環境に影響を及ぼしている空き家について、地域住民の生命、身体又は財産を保護するとともに、生活環境の保全を図り、あわせて空き家等の活用を促進するため市内の空き家の実態調査を行います。

【環境美化】では、
 廃棄物の処理にあっては、排出量の増加による環境への負荷の増大など、今日において、深刻な状況下にあるため、ごみの発生抑制、再利用、再資源化等の分別収集を中心とした処理方法に転換することが緊急の課題であります。
 よって、一般廃棄物の適正処理及び減量化のため、収集方法、収集品目及び減量化対策などの推進方法を協議するための組織を設置します。

【健康と福祉】では、
 地域で支え合う安全・安心な福祉面では、子育て世帯の負担軽減を図るため、引き続き中学3年生までの医療費の無料化、地域では支え合う福祉の在り方を考える地域福祉計画を策定します。
 結婚・出産・子育て面では、一宮地区の小学校統合に併せ、適正規模の学童施設の建設準備を進めます。
 次に、虐待を受けている児童の早期発見・保護並びに家族などの支援に必要な対応として、「児童虐待対応マニュアル」を策定します。
 生活習慣を見直し健康寿命の延伸に向けた取組として、今後の健康づくり事業の推進のため、「運動するきっかけ」と「運動習慣」を身に付けようとする人及び生活習慣の改善の動機付けのニーズ調査を行います。

【産業振興】では、
 農作物の高付加価値化や生産コストの低減など、産地の収益強化や合理化を図る取組に必要な、共同利用施設の整備・再編に対して支援を行います。
 次に、農村地域防災減災対策として、淡路市には多くのため池があり、地域農業を支える重要な主水源として活用されています。しかしながら、その築造年代は相当に古く、経年の風雨等による提体の浸食や陥没などの変状、底(そこ)樋管(ひかん)の老朽化による漏水など、様々な問題があります。そうした現状を踏まえ、ため池の耐震結果に基づき、安全・安心を確保するため、ため池保全サポートセンターを設置し、必要な助言、指導を行い、下流域の住民の生命と財産を確保するため池の耐震工事に取りかかります。
 次に、「第98回兵庫県畜産共進会」は、今年度に淡路市内で開催予定であり、この地元開催を契機に、地域畜産振興と淡路牛、淡路ビーフの積極的な産地のPRを図ります。
 次に、集落協定に基づき5年間継続して生産活動を行う農業者や集落に対して、助成を行い、耕作放棄地増加の抑制を図り、農業生産維持を通じて、多面的機能を確保する中山間地域直接支払事業や、集落営農組織の育成に向けた施策の展開を引き続き支援します。
 商工業、観光施策面では、商店街のにぎわい創出、地域コミュニティ、地域経済の活性化を図るため、地域活性化ふれあい商品券への補助や、商工業振興事業に対し支援を行います。また、新規に起業する事業者に対し初期費用などの支援を継続します。
 また、淡路島への観光客の誘致及び淡路市の魅力を発信するCMやポスター、ミシュラングリーンガイド兵庫WEB版制作などに加え、東京キャンペーン・吉本興業タイアップ・ゆるキャラキャンペーン事業なども継続して情報発信してまいります。

【公共交通】では、
 通学・通勤者の高速バス利用者の利便性の確保に向けて、利用状況を反映した駐車場整備計画の策定及び整備を進めてまいります。
 また、公共交通の空白地域における、市民の移動手段を維持確保するため、引き続きコミュニティバスの運行を行います。
 交通対策面では、「通学路安全プログラム」に基づき点検を実施し、児童・生徒が安全・安心して通学できる交通安全対策を講じます。
 また、道路ストック点検事業において、改修が必要とされた市道について、利用度や危険性を考慮し、生活幹線道路の改良を行い安全・安心で暮らせる生活環境の改善を図ります。
 道路整備面では、今後予想される大地震等の災害に備え、市が管理する道路橋梁点検を実施し、長寿命計画に基づき耐震補強を行い、安全・安心な公共施設の適正管理を行います。

【教育と文化】では、
 学校施設整備面では、小学校の再編に伴う統合基幹校施設整備として、一宮地区の基幹校である、一宮小学校の校舎、駐車場等の整備を実施し、教育環境の充実を図ります。
 また、一宮中学校の校舎の安全性を確保し、より良い環境で学習できるよう改修を行います。
 学校教育面では、小・中学校の一層の連携を図るため、義務教育9年間を見据えた教育の研究を行い、教職員の資質向上による学力の向上・生徒指導の充実を図るため、引き続きあゆみプロジェクト事業を推進していきます。
 また、外国語活動を通じて、言語や文化における体験的な理解を深めコミュニケーション能力を育成する外国語指導助手を継続配置し、中学校の外国語教育とともに小学校5・6年生の外国語活動の充実を図ります。
 学習環境面では、小学校の再編に伴う児童の学習環境の変化により、学校生活や友達関係などの不安や悩みなど、児童生徒や保護者の心の相談に対応するためのスクールカウンセラー、特別な支援を必要とする児童生徒や家庭に対し、関係機関と連携を図り、必要な支援が行われるようにするためのスクールソーシャルワーカーを配置するなど、児童生徒の教育環境の充実を図ります。
 社会教育面では、図書館の在り方の基本方針を示した「淡路市図書館基本計画」を策定し、図書館の運営を含めた整備方針を示します。
 次に、親子の絆を深め、心豊かに子育てできるよう支援する場として、子育て学習センターの整備に取り掛かります。
 次に、弥生時代の鉄器工房五斗長(ごっさ)垣内(かいと)遺跡を始めとする弥生時代後期の山間地集落、同時代の鉄器生産に深く関与した可能性の高いこれら集落の中心的な位置を占める舟木(ふなき)遺跡の重点的な調査を行うことで、弥生社会で果たした淡路島の役割を解明し、それによって青銅器と鉄器に象徴される淡路島の弥生社会の研究を推進し、わが国の弥生時代研究に寄与するとともに、あわせて淡路市が有する歴史文化の魅力を活かした人づくり・地域づくりに向けた取組を進めます。
 また、五斗長(ごっさ)垣内(かいと)遺跡のガイダンス機能を高めるため、展示用設備の充実を図ります。
 保健体育面では、定住自立圏域における全国規模のスポーツフェステバルを開催します。
 
 以上、これからを見据え、身の丈に合った持続可能な地域運営を行い、市政のキャッチフレーズとして「いつかきっと帰りたくなる街づくり」にある三つの意味、一つは「育ち住んでいる人たちが安全で安心して快適に生活できる街」、二つは「故郷を離れ島外で頑張っている人たちが、帰ってきたくなる街」、三つは「訪れた人達が住んでみたくなる街」の実現を目指し、「特色ある教育の充実」、「企業誘致の積極的な推進」、「総合的観光施策の充実」を3本柱に、積極的に施策を展開し、少子高齢化、人口減少等の地域の課題に対し、住民一丸となって取り組んでまいります。

 最後になりますが、普通交付税が2016年(平成28年度)から段階的に削減される中、効果的な市民サービスの実現に向かって、行政サービスの質の向上に努めながら行財政の効率化、基盤強化を進め次代を担う子どもたちや、明るい未来の実現のため、健全で、身の丈に合った行財政運営を市民と一体となってまちづくりに取り組んでまいります。
 議員各位並びに市民の皆さまにおかれましては、市政の推進に一層のご支援を賜りますようお願い申し上げ、施政方針とさせていただきます。