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平成27年度 淡路市長施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2014年3月3日更新 <外部リンク>

 本日、第56回「淡路市議会定例会」を招集いたしましたところ、ご参集をいただき、ありがとうございます。開会にあたりまして、新年度予算案及び関連諸議案の提案に際し、市政運営への所信を明らかにし、議員各位、市民の皆さまのご理解とご賛同を賜りたいと思います。

 

 10年前、2005年6月定例会において、67名の市議会議員に施政方針を申し上げました。

 「鳴門、明石海峡の架橋により島が島でなくなり、戦後生まれの世代が還暦を迎え、阪神・淡路大震災から10年の節目の年、私達の新生・淡路市が誕生、震災の島から花の島へ、その一端を担うこととなりました。市政の根幹は、市民本位のまちづくり。5町から一つの行政体を運営するには、三つの必要事項があります。

 一つは、信頼関係の構築。まずは、情報共有と相互連携

 二つは、市民が生活圏と行政権を区別して考えること。権利と義務のすみ分けです。

 三つは、夢。「明石海峡大橋無料化」は近未来への挑戦であり、島民意識の警鐘で、負の部分への対応も同時に考えないといけない。

 「誰にも見せない涙」という言葉があるが、自分だけの事を考える人間には、その涙は流れない」と決意を述べています。

 あれから10年、敗戦後70年、再度の節目の年、淡路市が「合併10年の検証」を踏まえ、旧5町の負の遺産の柵を断ち、ワクワク感のある新しいステージに立つ平成27年度は、残された5年の淡路市運営の初年度にもなります。

 何よりも、人口減少、少子、高齢化の加速する淡路市の現実を率直に認識し、行政運営を考えなければなりません。安倍内閣の最重点問題は、「地方創生」、地方再生無くして日本の再生無しというのがキャッチフレーズです。

 その視点に基づいた淡路市の現状認識と方向性としては、まず人口課題です。再生という観点からすれば、淡路市の場合は、合併時の人口5万人確保がとりあえずの目標です。細かく言えば、人口分布の中身だということになりますが、約96パーセントの子どもが生まれる年代、20歳から39歳の女性人口の確保が人口減少を食い止める要因の一つであります。

 もう一つは、淡路市から若者が主に都会に流出することへの対策です。身の丈に合った地域運営をするための人口の確保施策が、中長期の対策として必要です。そしてまちづくりです。

 本来のコミュニティとは、人間が歩いて過ごせる空間、すなわち、ある程度効率的な街区を形成しなければなりません。淡路市は、5町合併の歴史を持ち、それなりの人家連担した地域、文化圏、生活圏を五つ持ち、それぞれが、一定の核を形成しています。

 5万人弱の人口が集約し、経済活動をしていれば、それなりの循環する繋がりのあるコミュニティが形成されるが、淡路市は物理的に不可能。自動車等の交通手段を効率的に運用して、点と点を線で結び、面的に連携する田園都市を目指さなければなりません。

 

 さて、1月17日には、阪神・淡路大震災から20年を迎え、北淡震災記念公園等で執り行いました追悼式典におきまして、御遺族をはじめ、国会・県会議員や関係機関など多くの皆さまにご臨席をいただき、20年目の節目として復興報告を行うことができました。改めて震災で得た教訓を後世に伝えていくことの重要性を認識したところであります。

 阪神・淡路大震災による壊滅的な被害から復旧・復興を成し遂げられたのは、国・県の支援はもとより、全国各地からの温かい御支援の賜物によるものと感謝いたしております。

 中でも、貝原俊民(かいはらたしたみ)前兵庫県知事は、未来を見据えた「創造的復興」を掲げて復旧・復興にあたられ、震災の教訓を今日まで伝えてこられましたが、昨年の不慮の事故によりお亡くなりになられました。心よりご冥福をお祈りいたします。

 また、東日本大震災の発生以降、宮城県亘理(わたり)町をはじめとする被災市町に職員の派遣を行ってまいりましたが、震災から4年が経つなか、一日も早い復旧・復興を願っているところです。

 本年は、「ジャパンフローラ2000」から15年を迎え、今月21日から5月31日まで、「人と自然の共生のステージ」をテーマに「淡路花博2015 花みどりフェア」が淡路島全島を会場に開催されます。花の島“淡路”を全国に広め、多くの方の来場により、淡路島をより知っていただき、さらなる観光客の増加が見込まれるところであります。

 

 淡路市は、平成17年の合併から市制10年になります。合併当初は、阪神・淡路大震災からの復興事業、平成16年の台風第23号による復旧事業や下水道事業などにより、財政負担が大きく危機的ともいえる財政状況になっていました。平成19年には、地方公共団体の財政の健全化に関する法律が施行され、健全化判断比率の一つである、将来負担比率が基準の350パーセントを上回る371パーセントとなり、このままでは、自己決定権の無い早期健全化団体に陥ることから、これまでの行政の継続性と安定性を確保しつつ、市民と共に痛みを分かち合いながら行財政改革に積極的に取り組み、一定の道筋を立てることができました。しかしながら、税収などの自主財源が乏しい脆弱な財政体質であるがゆえに、今後とも地方財政対策における制度改正によっては、直接的に大きな影響を受ける懸念があります。また、平成28年度から平成32年度にかけて普通交付税が段階的に縮減され、平成33年度からは一本算定となります。これらに係る影響額は臨時財政対策債を含め約28億円でありました。しかし、平成26年度から支所経費の算入、平成27年度からは、合併したことにより面積が拡大したことなど、想定されていなかった財政需要を反映した算定により、影響額は縮小されるものと思われます。

 

 国においては、昨年4月に消費税率の引上げがあったものの、安倍総理のアベノミクスによる経済成長戦略により、少しずつではありますが、経済に明るさが見えてきているところであります。しかしながら、中小・零細企業はその恩恵を十分に受けていないとも言われています。また、昨年の衆議院議員総選挙により、与党が3分の2以上の議席を獲得し、地方にアベノミクスの成果を広く行き渡らせることを目指すために、「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」が閣議決定され、補正予算として通常国会において可決・成立いたしました。この経済対策は、経済の脆弱な部分に的を絞り、かつ、スピード感をもった対応を行うことで、地域の実情に配慮しつつ、消費を喚起する、しごとづくりなど地方が直面する構造的な課題への実効ある取組を通じて地方の活性化を促す、災害復旧等の緊急対応や復興を加速化するなどが挙げられます。これらによりまして、民間投資や消費が喚起されるとともに、雇用・所得環境の改善が図られ経済成長が期待されるところであります。

 また、国の平成27年度当初予算案では、26年度補正予算の経済対策と27年度税制改正とあわせ、経済再生と財政再建の両立を実現する予算と位置付け、一般会計96兆3,420億円で前年度比4,596億円、0.5パーセントの増となっています。

 

 一方、淡路市においては、これまで、旧町間のバランスや均衡を考慮した行政運営から、「合併10年の検証」の中で、あらゆる事業の検証を行い、今後の方向性を示すとともに、庁舎増築棟の完成により、これまで業務の一部を津名(つな)事務所で行っていたのを市役所本庁舎に集約することができ、これからの10年、20年を見据えた、まさに成熟した市としてのあるべき姿、方向に成長・進化するための実現に取り組んでまいります。

 さて、淡路市の平成27年度当初予算は、平成26年度の国の緊急経済対策による補正予算に対応した、一体的な予算となっています。

 

 「いつかきっと帰りたくなる街づくり」の実現のための3つの主要施策のうち、一つ目の、「特色ある教育の充実」ですが、少子化が進む中で、市の将来の宝物でもある子ども達の、確かな学力、豊かな心、健やかな体の「生きる力」を育むことは、人間形成やこれからの社会を生き抜くためにも重要となってきます。基礎力、思考力、実践力を養うため、タブレット型パソコンなど、ICT機器を活用した授業の取組の「タブレット活用教育」を更に推進し、また、小・中学校が連携した実践的な義務教育の9年間を見通した教育を実施することにより、学力の向上、教職員の資質向上、生徒指導の充実を図るための「あゆみプロジェクト」に取り組み、通いたくなる学校、訪れてみたくなる学校づくりを目指します。

 阪神・淡路大震災の活断層を保存した、野島(のじま)断層保存館では、近い将来に起こるとされる南海トラフ巨大地震に備えて、更なる防災意識の向上を図るため、これまで整備を進めております横揺れ体験やプロジェクターのリニューアルに引き続き、タブレット型の電子端末機を利用した学習システムや野島断層がどう動いたかを視覚的に学べるCG画像を制作し、学習機能の強化を図ってまいります。

 

 二つ目としては、「企業誘致の積極的な推進」ですが、自然豊かな環境と阪神間に近接した地理的優位性を生かして、これまでの地道な誘致活動により、市外から進出した企業は、13社に及びます。また、これまで南日本を拠点に活動していた、女子プロ野球チーム「サウスディオーネ」を誘致し、「兵庫ディオーネ」に改め、本年から市内に拠点を置き活動することとなりました。さらに夢舞台(ゆめぶたい)ニュータウンでも、進出企業による建物や道路などのインフラの整備も着々と進んでいます。これからも数多くの企業が進出し、就業の機会や場を増やし、若者の定着を図るなど人口の増加を期待するところであります。今後とも、各企業への訪問に加え、企業立地フェア等への出展によるPR活動や誘致活動を積極的に行ってまいります。

 

 最後に「観光政策の充実」ですが、淡路島は海、山、川などの自然に恵まれている上に、昨年4月の明石海峡大橋の通行料値下げに伴い、神戸、大阪方面からの利用がしやすくなりました。昨年は生しらす丼が80万食に達するなど、たくさんの淡路の食を皆さんに堪能いただけたものと思います。淡路の地元食材を使った「おむすびコンテスト・具-1(ぐーわん)グランプリ」は好評で、一部は商品化されるなど今後も継続して取り組んでまいります。こうした市の魅力などを伝える取組として、学校とも連携しながら、ふるさと淡路の良さを伝える子どもたちを育成するため、小学生を対象とした子ども観光大使事業や東京でのキャンペーンを通じて市の魅力を発信する、世界的観光立島事業を継続して行います。海の玄関口の津名(つな)港「海の駅・おのころんマリンステーション」は開港して2年目に入りましたが、更なる利用とPRに努めてまいります。

 

 次に、淡路市総合計画におけるまちづくりの基本目標に沿って、主要な施策についてご説明いたします。

 まず、「一人ひとりが輝く個性創造のまち」でありますが、少子高齢化など社会情勢が急激に変化する中で、男女お互いを尊重しつつ個性と能力を発揮することができる男女共同参画社会と女性の地位向上の実現に向けた取組を行います。また、誰もが自分らしく生き生きと暮らせる社会を実現するため、人権教育や啓発を推進するとともに、様々な人権課題への対応や将来の施策のための意識調査等を行い、「人権まちづくり基本計画」を策定してまいります。

 充実した学校教育の実現により、たくましく生きる力を身に付けた児童生徒の育成を図るため、適正規模、適正配置に再編成し、クラス替えができ、同一学年だけで集団行動や行事が可能になる教育環境の整備に努め、小・中一貫教育の検討も進めます。平成28年4月から、富島(としま)小学校と室津(むろづ)小学校が北淡(ほくだん)小学校と再編統合することから、北淡(ほくだん)小学校の校舎の整備を行います。また、志筑(しづき)小学校では、これまで特別教室が整備されておらず、志筑(しづき)会館の一部や普通教室で対応していましたが、児童の増加により普通教室が不足することから、特別教室を新築し、これまでの課題を解消します。淡路市出身で各分野において活躍している有為な方を、学校に派遣して子ども達が学びを体験的に深める機会を与え、未来に生きる豊かな心を育成する、「ふるさと講師派遣事業」を行います。教育体制においては、学校生活に適応できない児童生徒の状況に応じて総合的に取り組む、教育相談員やスクールコーディネーターの配置、統合した小学校の児童の不安や保護者への指導・助言を行う、スクールカウンセラーを配置し、心と体の両面にわたり支援してまいります。

 住民誰もが生涯を通じて自らの意欲に応じ、「いつでも、どこでも、誰でも」自由に学べる生涯学習機会の充実、中央公民館を中心とした公民館での講座や生涯学習プログラムなどの内容の充実とともに、文化ホールの利用促進による、文化振興の推進を図ります。また図書館については、図書システムの更新を行い、適切な運営の確保を図るとともに、淡路市の図書館の在り方の基本方針である「図書館基本計画」の策定に着手します。

 元気で充実した生活を送り、誰もが身近にスポーツを親しむため、小・中学校などの体育施設を活動の場として、多様なスポーツを楽しむことができるよう、体育協会、スポーツ推進委員、スポーツクラブ21などの関係機関と連携しながら取り組んでまいります。市制10周年記念事業として開催する、国生みマラソン全国大会は、全国各地から多くの方の参加をいただき、一人でも多くの方に淡路の魅力を知っていただく機会ととらえ、おもてなしの気持ちを込めて大会を盛り上げ、スポーツを楽しむことができる環境の充実を図ります。

 

 次に、「助け合い支え合いのあるいきいきと健やかなまち」でありますが、誰もが社会や家庭の中で心身ともに健康で快適な生活が送れるようお互いに助け合い、支え合い、生きがいや安らぎを感じながら暮らすことができる地域づくりを推進します。市民の健康増進を図り、健康づくりの基本となる、「第2次健康淡路21計画」の策定を行います。また、最近ではこれまでの単なる寿命から、自立して生活できる健康寿命を重視する考え方に変わりつつあり、市民一人ひとりが自らの健康を意識し、生きがいをもち長生きしていただくことは、医療費の軽減にもつながります。まちぐるみ健診の受診率を上げ、生活習慣病等の早期発見と予防、特定健診の未受診者に対して電話、訪問等により受診の勧奨に努めてまいります。国民健康保険事業におきまして、積極的に健康の推進に努め、医療機関への未受診世帯に健康推進奨励金を交付します。

 また、高齢者保健福祉計画及び第6期介護保険事業計画の初年度となることから、これからの社会情勢の変化や高齢化への対策としては、いきいきと元気に住み続けられるように、利用者の希望に対応した介護保険サービスの充実を図るとともに、健康づくりとして実施している、いきいき100歳体操は、地域の高齢者の集い、交流の場ともなっていることから、これからも市内全域への普及に努め、要介護状態にならないよう、健康で安心して住み続けられるまちを目指して、介護予防事業等の取組を充実します。

 今や認知症は高齢者の7人に1人、10年後には高齢者の5人に1人と言われております。認知症に関する知識の普及・啓発を図るため、認知症サポーター養成講座を開催し、これまで多くの方が受講されました。認知症の方が地域に合った生活を送れるための見守り体制整備やその家族が安心して生活できるよう支援してまいります。

また、子どもの感染症の予防や流行を防止するための、日本脳炎や水ぼうそうなどの定期予防接種や任意予防接種に対し費用の一部助成を行います。昨年の4月には夢舞台(ゆめぶたい)で開院した病院に産婦人科が設置され、市内で27年ぶりに新生児が誕生しました。これからも市民の安全・安心を確保するためにも小児救急医療をはじめ、夜間・休日の応急医療体制を確保します。

 次に、障がいのある人の自立と社会参加・社会復帰促進のため、支援の必要度に応じて公平に障がい福祉サービスを提供し、サービス利用援助など生活全般に係るコーディネートの相談業務、また多様な自立訓練や就労支援を社会福祉協議会と連携してまいります。

 また、人口減少・少子高齢社会において、子どもを産みやすい、育てやすい、住みやすいといった子育て環境の充実が不可欠となってきます。多子世帯の出生率の向上と経済的な負担の軽減を図り、きょうだいづくりを応援するため、新たに第2子以降のお子さんを出産した際の出産費用を無料化する、「赤ちゃん未来の宝物補助金」や中学生までの通院医療費に係る自己負担の無料化に取り組みます。また、これまでも行っている新婚世帯家賃助成や新婚世帯住宅取得助成などのこれら一連の施策も継続してまいります。

 子どもや保護者が教育・保育施設や地域の子育て支援事業等を円滑に利用できるようサポートする、「子育てコンシェルジュ育成事業」を行います。地域子育て支援拠点事業として、乳幼児期の親子の絆を深め、心豊かに子育てできるように支援する場として、市内の5カ所に設置している子育て学習センターについては、増加するニーズに対応するために、開設時間や相談時間の延長、支援体制の強化を図ります。

 また、特色ある保育として、これまでどおり基幹保育所を中心に「おはなであそぼう」、「えいごであそぼう」、「きたえてあそぼう」を実施し、子ども達の身体能力の向上や心豊かに育つ環境づくりに努めます。また、共働きの家庭が多い中で、安心して働くことができる環境づくりとして、保護者が疾病等の理由により児童の養育が一時的に困難になったときに、児童福祉施設等に養育・保護を実施できる事業や、事業所内に従業員の子どものほか、地域の子どもに保育を提供する地域型保育事業に取り組みます。市立保育所等適正規模推進計画の目的でもある「心豊かに たくましく伸びる 子どもを育てる」ため、適正規模、適正配置をすることとし、多様化するニーズに対応するため、延長保育や一時保育など保育サービスの一層の向上に努めます。廃園となる保育所については、今後とも地域の意向を尊重し有効な活用を図っていきます。また、保育料の中身を見直し、低所得者層に配意した基準を設定します。

 小学校の放課後及び長期休業日に生活の場を確保し、遊びや指導を行い、児童の健全な育成を図る学童保育の充実を図ります。また、学童保育北淡(ほくだん)につきましては、平成28年4月の北淡(ほくだん)小学校の再編統合にあわせ、小学校近接での建設に着手します。

 

 続いて、「安全・安心でうるおいある暮らしを実現する定住のまち」でありますが、安全・安心、快適、便利に暮らせるよう、自然と調和した住環境や道路交通網などインフラの整備を推進し、住みやすいまちづくりを目指します。穏やかな気候と豊かな自然環境、そして、阪神圏に近いといった立地条件を活かしながら定住人口を確保するため、UターンやIターンへの支援と田舎暮らしに関する相談会の開催や情報の発信、古民家再生や空き家改修などの支援を行います。また、パールブリッジ・リターン通学者助成金や大学等学生居住助成金を継続します。都市からの移住により地域活動に従事する地域おこし協力隊は、第1期の3年を終え、第2期として新たに雇用し、地域活性化、薬草の研究、食の研究等の専門性を高めて定住人口の確保に努めます。住宅に困窮している世帯への居住安定を図るための市営住宅は1,700戸近くあり老朽化がひどく、住宅需要を考慮しながら適正な管理戸数となるよう、用途廃止とあわせ耐震改修を行います。

 また、市民に密着した生活道路は安全・安心を確保する必要がありますが、建設から相当な年数が経ち老朽化が進んでいるため、道路、橋梁の長寿命化事業を計画的に推進します。市道改良においては、岩屋(いわや)地区の跨道橋(こどうきょう)の耐震化、野田尾佐野(のたおさの)縦断線、平川柳沢(へがわやなぎさわ)1号線、谷田(たんだ)学校1号線などの道路改良事業と交通安全施設の整備を実施し、周辺地域の利便性・安全の向上に努めます。平成26年の台風災害により被害を受けた道路、河川の早期復旧に努めます。

 高齢者の増加とバス路線、航路の廃止等により、公共交通の確保は喫緊の課題となっています。海上交通においては、岩屋(いわや)と明石を結ぶフェリー航路の廃止により自転車や125cc以下のバイクの交通手段がなくなり、これまで種々検討した結果、新たに船を建造することにより、明石海峡大橋の通行止め、災害など緊急時に対応するための交通手段を確保し、高まり続けるサイクリング需要にも、応えることができます。現在、夏の就航に向け建造を行っています。陸上交通においては、北部生活観光バスをはじめ岩屋(いわや)地域コミュニティバス、山田(やまだ)地域デマンド交通、興隆寺(こうりゅうじ)地域マイカーボランティア交通、長澤(ながさわ)コミュニティバスや既存のバス路線への運行補助により市民の足の確保を図ります。高速バスを利用する、通勤・通学者等の利便性を図るための駐車場について、高速本四仁井(にい)バス停の駐車場の整備に係る測量設計に着手します。

 市のかけがえのない財産である自然環境や景観を保全し、持続的発展可能な開発を推進し、人と自然が共生するバランスの取れたまちづくりのため、農業振興地域との整合を図りながら、都市計画マスタープランの策定を引き続き行います。

 また、阪神・淡路大震災の復興事業として継続中の密集住宅市街地整備事業は、住環境の水準の向上と災害時の防災拠点となる公園の整備を行っており、育波(いくは)地区において道路整備事業を実施し、早期の事業完了を目指します。

 近い将来に発生が予想される、南海トラフ巨大地震につきまして、兵庫県の津波浸水想定を踏まえ、市の地域防災計画の見直しにより、必要な津波対策を講じます。市民の初期対応として高台等へ速やかに誘導する避難路のカラー舗装は、計画的に実施をしていします。また、地震のほか、最近のゲリラ豪雨、猛烈な台風、竜巻、火山噴火など異常気象が叫ばれている中、いざという時の備えと防災意識を高めるため、総合防災訓練を通じて、消防団、自主防災組織と地域住民の連携を図ります。災害時の非常食など備蓄品の計画的な購入と、消防力の維持と強化のため消防自動車の更新、装備品の充実を図ります。

 また、女性ならではの視点から、災害時の要配慮者支援等、組織力の向上と充実、消防・防災に関する啓発を行う女性消防団員を募集しており、平成27年度から新たに発足します。

 防災行政無線による災害情報等が聞き取りにくいという地区を解消するため、確実に個別に対応できる補完策として、自動録音機を設置し、市民が電話で確認できるシステムを構築するとともに、防災の情報を携帯電話に配信する、「ひょうご防災ネット」への加入促進を図ります。家屋への災害への備えとして、簡易耐震診断、耐震改修、危険空き家の除却、危険住宅の建替え、防災ベッドの設置などへ支援します。

 市民を犯罪から未然に守るため、防犯に対する意識啓発と、防犯灯の整備や淡路防犯協会と連携し、一体となった防犯活動を推進します。

 下水道事業につきまして、市内の普及率は80.5パーセントであり、淡路地域は県下でも低い水準となっています。これは地形的な面からくるコスト高によるものでありますが、各施設の維持補修、長寿命化の整備と面整備区域の更なる見直しを行いながら、水質保全と快適な住環境づくりと合併処理浄化槽の普及に努めます。

 

 次に、「豊かな自然・文化を活かす魅力満載のまち」でありますが、エネルギーの持続、農と食の持続、暮らしの持続をテーマに国から指定を受けた、「あわじ環境未来島特区」の推進のため、低炭素社会の実現に向けて住宅用太陽光発電システム設置補助金の継続や、竹林の解消に向けた竹チップを利用した花卉農家や家庭用のボイラー設置に対する補助を行います。一宮(いちのみや)事務所及び高齢者生活福祉センターに太陽光発電設備を整備することで、非常時の電源確保とともにCO2削減を図ります。また、「あわじメガソーラー1」など太陽光発電設備を活用して環境保全の大切さと必要性の理解を深め、また、花みどりフェアを機に、家庭、地域、職場などにおける環境美化の意識の高揚と実践活動につながるよう推進を図ります。

 火葬場は市内に4カ所ありますが、老朽化が進み早急に新しく火葬場を建設する必要があります。施設の必要性をご理解いただき、建設に向けて取り組みます。

 次に、市の基幹産業である農漁業は、従事者の高齢化や後継者不足が大きな課題となっています。農業では、中山間地域直接支払事業や多面的機能支払交付金事業など集落単位や集落営農組織で取り組むことにより、作業効率の向上、機械の導入など組織力を活かすことでコストの低減を図るための支援を行います。新規就農者への支援体制の整備と遊休地を増やさず農地の集約を図るため、兵庫県みどり公社を仲介とする農地の貸し借りを支援します。また、農作物等への被害が深刻化している、いのしし対策においては、これまでの集落を単位とする電気柵への補助と捕獲檻の設置や猟友会による捕獲に加え、集落に専門員を派遣するなど、わなの取扱い、電気柵の設置方法の指導、また、狩猟免許の取得に要する費用を補助することで、捕獲頭数の増加を図り、個体数の減少に向けて取り組みます。6次産業への取組としては、色々な事業者がネットワークを構築し、新商品の開発や販路開拓、加工・販売の活動を支援します。花卉、淡路牛の更なる普及と玉ねぎ、いちじく、カーネーションなどといった主要作物の特産化を目指していきます。基盤整備として実施している、ほ場整備の、江井・大石(えい・おおいし)地区は平成27年度の完成に向け整備を行います。また、新たに生田大坪(いくたおおつぼ)地区が県営ほ場整備事業として事業に着手します。ため池の一斉点検により、耐震対策や老朽化対策を実施し、地震や台風時における減災に努めます。平成25年と平成26年の豪雨災害や台風災害により被害を受けた農地及び農業用施設については、早期復旧に努めます。

 漁業では、水産物の安定確保による漁業経営の安定化を図るため、良好な海の環境を維持する海底耕運やかいぼり、漁業共済や漁船保険への加入促進、ヒラメ、マダイ等の種苗放流、アオリイカの産卵床の増設や漁業共同利用施設の機能充実と安全性の確保を図るための補助を引き続き行います。また、漁業協同組合が防衛施設周辺対策事業により実施する、老朽化した製氷貯氷施設の整備に対し支援いたします。

 商工業では、大型店の進出、明石海峡大橋の料金値下げやインターネットの普及などにより購買層が流れた結果、商店は苦しい状況に追いやられ、売上減少や空き店舗が目立つようになりました。消費を喚起し、消費拡大、地元商店の地域経済活性のための「プレミアム付き商品券」への補助や市内の空き店舗を解消するためなど新規に起業する事業者に対し初期費用などの支援を継続します。地場産業の線香は海外での展示・販路開拓により「お香」として海外でも高い評価を得ています。更なる販路拡大、地場産業の振興、地域ブランド化の支援を行います。

 次に、文化財としての五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡は、平成24年9月に国の史跡に指定され、歴史教育や観光・地域づくりの拠点として整備された活動拠点施設を中心に、遺跡を活用した様々なイベントを通じ、多くの方が見学に来られております。遺跡周辺の整備も平成28年度の完成を目途に引き続き行ってまいります。また、この他市内には有形文化財、民俗文化財、記念物など歴史的文化遺産が多く残されており、今後ともこれら文化財の保存・修復、また、発掘調査などを通じ、市民や観光客が歴史や文化資源に触れられるよう、活用を図ってまいります。

 

 次に、「参画と協働に基づいた市民交流のまち」でありますが、多様化する住民ニーズや様々な地域課題に対し、現状を的確に把握し、合意形成と市民意識の向上を図りながら、市民からの意見や提案を反映し、行政と市民によるまちづくりを進めるため、これまでの地域審議会に替わる組織として、「地域まちづくり協議会」を各地区に設置し、調査研究活動を行います。また、行政と市民、市民同士の間に立ち、助言、情報提供、政策提言等を行う中間支援機能をもつ市民協働センターの設立に向けた準備室を設置します。

 国際交流では、豊かな人間性を育むため、子どもの頃から外国人たちを身近に感じ、日常を分け合うことが大切なことから、引き続き、姉妹都市米国オハイオ州・セントメリース市への青少年派遣相互交流や米国ミシガン州・ウエストブルームフィールド姉妹図書館訪問、特に、昨年7月に友好都市を締結した、中国・浙江省義烏市(せっこうしょういうし)へ日中韓3カ国地方政府交流会議などへの視察団の派遣を行います。また、姉妹都市ブラジルパラナ州・パラナグア市との継続した交流を通じて、国際力豊かな人材育成及び両市の発展を目指した交流事業の継続と、市民の国際理解を深める取組を進めるとともに、在外外国人の方が住みよいまちづくりを支援する取組を行います。

 また、志筑新島の大規模商業施設内に設置しています出前市役所、消費生活センターでは、消費者対策として、さらに充実した機能を果たせるよう相談・啓発業務等を強化し、市民の安心・安全な生活を実現するため、関係機関と連携を図り、消費者行政の強化に努めてまいります。

 現在、建築中の庁舎増築棟は、1階のワンフロアで、市民に身近な証明事務、各種異動などの手続の大半を終えるようにし、市民へのサービス向上を図ります。平成28年3月から住民票、戸籍、印鑑証明書の発行が、マイナンバーカードにより全国のコンビニエンスストアで交付できるようにもなります。また、戸籍、住民票などが第三者に交付されたことを、希望する方にその事実を通知する制度を導入します。市税等の口座振替には、金融機関で手続きをする必要がありましたが、市役所及び事務所に専用の端末機を設置することにより、キャッシュカードによりその場で手続が完了し、手続の簡素化と、収納率の向上を図ります。

 行政改革では、身の丈に合った持続可能な市政推進のため、「淡路市新行財政改革推進方策」を策定し、これまで人件費削減をはじめ各種事業の見直しなどの取組を行ってきました。限られた財源を効率的かつ効果的に活用するため、行政評価システムにより施策の目的・成果や市民との役割分担を明確にし、健全な財政運営に取り組みます。また、合併したことにより類似した公共施設が数多くある状況で、長期的な視点をもって、施設の複合化、統廃合や長寿命化を含め検討を行い、平成28年度に向けて「公共施設等総合管理計画」を策定し、財政負担を軽減・平準化するとともに、公共施設等の最適な配置に取り組みます。

 ふるさと納税制度、淡路市「夢と未来へのふるさと寄附金は、「ふるさとに貢献したい」、「ふるさとを応援したい」と思う自治体へ寄附し、気持ちを形にすることができ、住んでいる自治体の個人住民税などが軽減される制度のことです。市では、平成20年度から平成25年度までで、累計2億3,500万円余の寄附金がありましたが、本年度はテレビ報道などを受け、2億8,000万円近くの寄附金が見込まれています。寄附者の意向を尊重し、活力ある地域づくり、環境保全、教育の推進、観光の振興などに有効に活用させていただき、さらに拡大していきたいと思っています。

 また、今現在、国が進める、まち・ひと・しごと創生は、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくことを総合的かつ計画的に進めるために、まち・ひと・しごと創生本部が設置され、「長期ビジョン」と「まち・ひと・しごと創生総合戦略」が策定されました。淡路市においては、これまでも危機感を持った中、人口減少対策として、企業誘致、定住対策や子育て支援などを実施し、一定の成果は上げたものの、国立社会保障・人口問題研究所によると、市の推計人口は、20年後の平成47年には、今の4万3,100人から3万1,500人と約27パーセント減少し、14歳までの年少人口割合が10.0パーセントから8.1パーセントに減少し、65歳以上の老年人口割合も36.3パーセントから44.1パーセントに増加する見通しですが、これらは、淡路市が実行している、企業誘致などが反映されていません。現場としての矜持を持ちながら、平成27年度は、国の総合戦略を勘案し、「地方人口ビジョン」と今後5年間の目標や施策に関する基本方向を定めた「地方版総合戦略」の策定を行い、それに向けた施策を実施します。

 また現在、洲本市と連携して推進している「定住自立圏構想」については、協定締結から2年を迎え、今後とも、連携・協力しながら推進し、淡路島振興のためにつくしてまいります。

 

 以上、主要な施策について、申し述べてまいりましたが、本年は、市制10周年記念の年となります。記念事業では、キャッチフレーズを「飛躍!ワクワク!10周年」とし、市民の方々が自ら企画し、新たに事業を始めたり、既存事業を拡大することにより、市の魅力を再認識し、未来に向けた郷土を愛する心を育むとともに、市内全体で盛り上げ、市民の一体感の醸成を図るため、要望が多かった市民提案事業への助成を行います。また、11月29日に開催予定の記念式典については、国会議員、国・県の関係者及び県内市町長、友好・姉妹都市、関係団体など、お世話になりました多くの方々にご臨席をいただき、市制10年の歩みや合併10年を機として、これからの未来に向けた発信を行う予定としております。

 

 さて、アメリカ合衆国第35代大統領ジョン・F・ケネディは、就任の演説で、

(祖国があなたに何をしてくれるかを尋ねてはなりません)

Ask not what your country can do for you

 

(あなたが祖国のために何をできるか考えて欲しい)

Ask what you can do for your country

と国民に語りかけました。これを淡路市に置き換えてみますと、「全てを市に任せるのではなく、市民の皆さんも市のために何ができるか自分自身で考えてほしい」と読み替えることができます。これをまさに市民との協働によるまちづくりの原点であると考え、市民の皆さんと手と手を携えながら、より以上の身近な市政、身近な市役所づくり、市民と市役所が信頼関係で結ばれた淡路島のフロントランナーとして、淡路市の更なる発展のために邁進してまいります。そして、「力をあわせ、夢と希望のふくらむ、世界一幸せなまちをつくりましょう」

 

 常々私は、「川の流れは両岸から見なければならない」という先人の教えを大事にしてきました。散在する集落の5町の合併は、生活文化圏を異にしながら、継続してきた地縁血縁の柵によって、維持してきた地域にとっては革命と同様でした。そのために、合併の効果的振興を図るため、ソフトランディングを選択し、まず、5町融和を推進しました。

 10年前、合併協議会で議論され、津名(つな)地域は都市機能集積ゾーンと位置付けられていましたが、柔軟な見直しを選択し、二眼レフ的視点での地域経営を目指して、夢舞台(ゆめぶたい)ニュータウン計画も着実に推進しています。

 東海岸、西海岸いわゆる東浦、西浦の事業展開、キーワードの一つを「海」と位置付け、海の駅の開設、災害有事の時の備えも兼ねた新船建造など、限られた予算の中で、優先順位を明確にしながら着実に積み上げ、それら点と点の地点、施策を線で結び面的に完結させることで、地域的な課題等にも対処してきました。これらのことは、良識ある市民、住民以外の市域外の方々にも一定の評価を受けています。未知との遭遇を経験した職員は、過渡期の混乱のなかにあっても、常に市民、住民と連携しながら真摯に職務を遂行してきました。

 また、フェイスブックで届いた言葉がもう一つあります。

「自虐的な姿勢より、良識ある人々の支持を確信し、あかるい市長を見せて下さい」

 この言葉を糧として、これからも矜持をもって正義を断行してまいります。

 

 最後になりますが、今後とも厳しい社会情勢や財政状況の中、全職員が一丸となって、時代の要請と市民の皆さまの期待に応えるため、これからも全力を傾注してまいります。

 議員各位並びに市民の皆さまにおかれましては、市政の推進に一層のご支援とご協力をお願い申し上げ、市政方針とさせていただきます。