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令和4年度 淡路市長施政方針

印刷用ページを表示する掲載日:2022年3月1日更新 <外部リンク>

(はじめに)

 国家は国防、市は行政の現場として、市民への行政サービスを第一義とすることは自明の理です。それは、表裏一体として相関関係に有ります。その意味で、ウクライナ問題は、淡路市としても避けて通れない課題です。

 現実に、ウクライナの方が淡路市で働き、生活されているからです。国際交流も、市民への行政サービスの一環として捉え、その方が安心して生活が出来るよう、市としても物心両面で支えていかなければなりません。

 既に、国、県への関係者には在住者への心配りをお願いしていますが、解決の道は、北方領土同様困難な状況にあり、市民が心を一にして、丁寧な対応をお願いしたいと思います。

 さて、本日が18回目の施政方針演説となりますが、令和4年度当初予算案並びに関連諸議案の審議をお願いするに際し、二元代表制の趣旨の下、市政運営に臨む所信を明らかにし、市議会議員各位をはじめ、市民・住民の皆様の御理解と御賛同を賜りたいと思います。

 まずはじめに、新型コロナウイルス感染症に関しまして、本市においては、3回目のワクチン接種を本年2月1日から行っていますが、変異株であるオミクロン株の猛威が1月5日以降、爆発的に拡大しており、県では、1月27日以来、まん延防止等重点措置が取られ、いまだ収束が見えない状況となっています。

 新型コロナウイルスに感染し、苦しんでおられる方々にお見舞い申し上げ、一日も早い御回復を切にお祈りいたします。

 また、新型コロナウイルス感染症の最前線で御尽力いただいている医療従事者をはじめ、感染防止に努めながら介護等に従事されている福祉施設関係者、そして、移動制限や時短要請等の感染予防対策に御協力いただいている市民・住民等の皆様に心からの慰労と感謝を申し上げます。

 

(新型コロナウイルス感染症対策)

 諸外国と比べて感染による死亡者数や感染者数のピークが緩やかに抑えられているのは、日本人の倫理観、他者を思いやる心など、これまでも美徳とされてきた不変の美しさによるところが大きいと言われていますが、3回目のワクチン接種の効果が一日も早く表れ、収束に向かうことを切に望んでいます。

 新型コロナウイルス感染症が、私たちの生活に及ぼした影響は甚大で、長期化している状況の中、市民に寄り添い、必要な支援をスピード感をもってお届けできるよう全力で取り組んでいるところですが、本市では、これまで新型コロナウイルス感染症対策として、令和2年度には、約58億円の感染症対策に取り組んでまいりました。

 また、令和3年度には、約23億5千万円の予算措置を行い、社会生活基盤を維持しながら、市民の生活を守るために、躊躇することなく、迅速な対応を行っています。

 「冬来たりなば春遠からじ」、「人生万事塞翁が馬」とも申します。これからも「チーム淡路市」として一丸となり、「社会生活システムを維持しながら、新型コロナウイルスに勝つ」を合言葉に、感染症対策に取り組んでまいります。

 さて、市制発足後17年の月日が流れようとしています。これまで公平公正な行政サービスの現場を担う自治体の長として、

 1つは、集約のメリットを生かし、質の向上を目指す。

 2つは、5地域の融和を図り、一体感の醸成を目指す。

 3つは、継続的財政運営と市政全般の適正化を目指す。

 これらを基本姿勢として、行政サービスを実行してまいりました。

 来るべき市制20周年の節目を控えて、ふるさと淡路市の市長選へ臨む決意を、故貝原元知事に報告した際掛けられた、「20年はかかるよ」との言葉の意味を改めて痛感しながら、ようやく、新時代の淡路市への礎を築くことができると確信しています。

 成熟した市政への準備段階として、これまで、4年を一つのステップ、区切りとし、その時折の目指すべき将来像を示しながら、その実現に向け取り組んできました。走り続けた16年を振り返ってみますと、

 まず、1期目(H17~H20年度)では、5地域の融和を図り、一体感の醸成を目指しながら、地域のバランスに配慮した整備に努めました。

 また、「明石海峡大橋無料化」を目指すべき将来像に掲げ、代替道路のない国道生活道路は無料であるとの信念から、無料化運動を積極的に推進をし、料金の低減化や現在の西海岸を中心とした賑わいの創出につなげました。

 「資産の見直しと再整備」では、規模縮小を覚悟して質の向上を目指す「身の丈に合った市政運営」に取り組んでまいりました。

 次に、2期目(H21~H24年度)では、危機的な財政状況から脱却させ、財政運営の基盤を更に強固なものとするため、更なる歳入確保、そして歳出整理を断行し、その上に、企業誘致の積極的な展開、特色ある教育を推進し、「淡路市の優位性の実証」に努めました。

 企業誘致では、都市部に近く、豊かな自然環境を有する地域の優位性に加え、独自の支援策や、トップセールスとチーム淡路市としての活動により、市内外から多くの企業進出や拡充につなげ、新たな雇用の場を創出しています。その成果は、人口に現れており、令和2年度には、市制発足後初めて、推計人口の社会的要因による人口が増加に転じ、令和3年度も増加する見込みです。また、税収増にもつながっています。

 また、特色ある教育として、情報化社会を生き抜くための教育、後継者を育成するため、小中学校でのタブレット端末を活用した教育の実践に取り組みました。ハード先行の環境整備だけでなく、指導する教職員の資質向上に努めた取組が、「2019年公立学校情報化全国ランキング」で、1,741市区町村中、小学校が2位、中学校が5位との評価につながっています。

 3期目(H25~H28年度)では、地理的・地形的に不効率な課題を解決するため、自然豊かな観光資源、風土資産を生かした「世界的観光立島・淡路市」を将来像に掲げ、五斗(ごつ)長(さ)垣内(かいと)遺跡等の弥生時代の鉄器製造から国生み神話などの歴史文化遺産をストーリー化することにより、日本遺産の認定へとつなげました。

 不形成な地理的課題の取組では、有事の際の海路の確保や明石海峡大橋を通行できない小型バイクや自転車での来島が可能となるよう明石海峡に「まりん・あわじ号」を就航し、陸上交通では、不採算性を理由に路線撤退した民間事業者に代わり、交通弱者の生活を守り、交流人口の環境整備のため、北部生活観光バスの運行を開始しました。

 4期目(H29~R2年度)では、これまでの12年間の取組を土台として、官民一体となり、「いつかきっと帰りたくなる 街づくり」の環境整備に取り組むため、「チーム淡路市」として、一体感の醸成に努めました。

 安全・安心の環境整備では、現地解決型の基盤整備の最終形として、「津名ふれあいセンター(津名集合庁舎)」や「北淡事務所」を整備し、機能の複合化・集約化を図ることで、現地解決型の地域の核となる各地域事務所のバランス配備を完成させました。

 また、高校生の通学や高齢者等がいつまでも住み慣れた地域で生活できる基盤として、最も重要である交通手段の確保を図るため、生活観光バスの市域全域への路線拡大を行い、安全・安心な市民生活を支えています。

 これまで、市民と一体となって進めてきた「チーム淡路市」によるまちづくりが、「2019年全国自治体ブランドランキング」で、全国1,741市区町村中64位と高い評価を得るに至りました。

 そして、市制20周年に向かう5期目(R3年度~)の4年間は、成熟した市政へと飛躍するため、様々な可能性に挑戦しなければならない大切な時期を迎えています。これからの3年間は、できない理由を考えるのではなく、どうすればできるのか、創意工夫を凝らし、淡路市の魅力や可能性を大きく伸ばす期間にしたいと考えています。

 「2025大阪・関西万博」や大阪市が誘致を行う統合型リゾートなど、本市にとって起爆剤となるチャンスが目前に広がっています。

 大阪湾活性化構想での淡路市の位置付けとして、「田園観光都市」の実現を掲げ、「未来への創意工夫」をキーワードに、淡路島のフロントランナーを目指し、合併市の完成形を目指します。

 そして、5期目の政策目標として掲げた、5項目の実現に取り組んでまいります。

 1 行財政改革と新たな行政展開

 2 新型コロナ対策と南海トラフ巨大地震への備え 「万全な危機管理体制の構築」

 3 生活基盤の充実と新たな働き方改革

 4 福祉と教育の先進地を目指す取組

 5 田園観光都市と美しい環境島ブランドの構築

 1つ目の行財政改革と新たな行政展開では、コロナ禍がもたらした課題として、東京一極集中から地方分散への大きな流れと捉え、移住や企業誘致、デジタル化の推進など、新たな行政展開を図ります。

 2つ目は、阪神・淡路大震災から創造的復興(Build Back Better)を果たした兵庫の自治体として、新型コロナウイルス感染症への対策を行いつつ、近い将来発生が懸念されている南海トラフ巨大地震へ、ハードとソフトの両面から、危機管理体制の充実を図ります。

 3つ目は、地域生活を支える最も重要な基盤である地域公共交通の更なる充実を図るため、淡路医療センター(県病)への南進、明石海峡大橋の無料化運動などに、粘り強く取り組みます。基幹産業である農業、漁業の多角経営化や、担い手対策として、遊休農地の再整備を行い、生活を営む基盤整備を行います。

 また、働き方改革では、元気な高齢者が多い現状を、新たな労働人口と捉え、高齢者の就労促進支援や、更なる企業誘致の推進による雇用の創出に努めます。

 4つ目は、福祉と教育の先進市を目指す取組として、高い効果を示す介護予防事業や認知症対策により、健康寿命の延伸を図り、いつまでも活躍できる幸福度の高い社会の実現を目指します。

 また、出産から子育てまでの一貫した支援制度の充実により、仕事と子育ての両立を支援し、子育ての負担感の少ない社会を目指します。

 教育では、タブレット教育などの先導的な取組に磨きを掛け、選び続けられる淡路市を目指すとともに、日本人の本来の心、道徳の必要性を再認識し、倫理観の醸成に努めます。

 5つ目は、田園観光都市、美しい環境島ブランドの構築では、再生可能エネルギーによる環境負荷の少ない環境未来島構想の取組を進めます。大阪・関西万博の開催や統合型リゾートの誘致等、大阪湾ベイエリアの活性化に向けた動向を見定め、更なる飛躍を目指します。

 合併市としての課題の整理の最終段階として、新火葬場整備と広域ごみ処理場の整備に向け、丁寧かつ着実に取り組んでまいります。

 

(経済情勢・財政状況)

 さて、政府が示した令和4年度予算編成の基本方針では、「我が国の経済は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、引き続き持ち直しの動きに弱さが見られる。」とされています。

 一方で、景気の先行きにつきましては、「経済社会活動が正常化に向かう中で、各種政策の効果や海外経済の改善もありまして景気の持ち直しが期待されるが、新型コロナウイルス感染症による感染拡大の影響や金融資本市場の変動等の影響を注視する必要がある。」としています。

 また、ウクライナ問題の先行きが不明で、株価等への影響も既に出始めています。

 そのような経済状況の中、昨年11月に策定された「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」の速やかな実行により、「成長と分配の好循環」と「コロナ後の新しい社会の開拓」をコンセプトとする新しい資本主義の実現に向け、

 1 科学技術立国の実現

 2 地方を活性化し、世界とつながる「デジタル田園都市国家構想」

 3 経済安全保障の推進

 を3つの柱とした大胆な投資によりまして、国主導で経済成長を図るとされています。

 また、成長と分配の好循環による新しい資本主義の実現に加え、「経済財政運営と改革の基本方針2021」に基づき、経済・財政一体改革を引き続き推進するとともに、2025年度の財政健全化目標の達成を目指しながら、「経済あっての財政」の考えの下、デフレ脱却・経済再生に全力で取り組むメリハリの利いた予算となるよう、いわゆる「16か月予算」の考え方の下、令和3年度補正予算と一体として編成されています。

 本市におきましても、国の施策の動向をしっかりと注視し、的確に対応していく必要があります。

 また、令和4年度の「地方財政計画」では、地方団体が、地域社会のデジタル化や公共施設の脱炭素化の取組の推進、消防・防災力の一層の強化などの重要課題に取り組めるよう、一般財源総額につきまして、令和3年度を上回る62兆135億円を確保することとされています。

 さて、本市の財政状況ですが、16年連続の黒字決算を確保し、財政健全化を示す指標である健全化判断比率も、令和2年度決算における実質公債費比率14.9%、将来負担比率140.9%と着実に改善を進めました。

 しかし、全国的にみても、依然として高い比率となっています。

 また、歳出では、新火葬場整備関連事業や老朽化する公共施設の長寿命化事業等に多額の経費を要し、歳入では、大型公共事業経費を賄うため、地方債発行額や、基金繰入額が増えるため、健全化判断比率が上振れする要素が多くなることから、地方債の繰上償還や普通交付税への措置率の高い有利な地方債の活用等を行い、指標の改善に努めてまいります。

 

(重点項目)

 令和4年度は、新型コロナウイルス感染症の先行きが不透明な中、合併による交付税の優遇措置が終了し、厳しい財政状況にありますが、いよいよ成熟した市政への準備として、「第2次淡路市総合計画」に基づく各種施策を確実に実行し、新たなるステージの将来像である「いつかきっと帰りたくなる街づくり」を実現するため、「ひと工夫」を市政運営の基本とします。

 これまで重点項目として掲げてきました「特色ある教育の充実」、「企業誘致の積極的な推進」、「総合的観光施策の充実」、「少子化対策」及び「市民の安全・安心対策」に創意工夫を加えて、成熟した市政への確かな基盤を確立してまいります。

 

(特色ある教育の充実)

 まず一つ目の「特色ある教育の充実」です。

 子どもたちを取り巻く環境は、少子高齢化の進展やグローバル化、科学技術の進歩等により大きく変化をしています。また、教育現場においても、Society5.0時代の到来など、急激に変化する時代の中で、全ての子どもたちの可能性を引き出し、個別最適な学びと協働的な学びを実現する教育が求められています。

 そのため、全国的にも高い評価を得ているタブレット端末を活用した「学びイノベーション事業」での優位性を生かし、確かな学力の育成に努めるとともに、新型コロナウイルス感染症の影響により、長期欠席者が増加する中、家庭での学びを保障し、児童生徒に寄り添う「誰ひとり取り残さない」教育に取り組みます。

 また、小中学校の9年間を通した教育を実践するため、教員の資質向上を図る「あいプロジェクト」を継続し、子どもたち個々の特性に応じ、個性を存分に伸ばせるよう、一人一人に寄り添った教育を進めます。

 環境整備では、近い将来、発生が予測される南海トラフ巨大地震に備え、老朽化した学校施設の大規模改修に取り組み、安全・安心な環境を整備します。

 また、国史跡の指定から10周年を迎える五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡、日本遺産認定につながった国生み神話など、歴史文化資産の多様な活用に向けた拠点整備として、文化財総合拠点施設の整備に向けた計画策定に取り組みます。

 次に、二つ目の「企業誘致の積極的な推進」です。

 新型コロナウイルス感染症は、多くの影響を及ぼしていますが、新しい生活様式による働き方改革や東京一極集中から地方への分散などは、地方の可能性を広げる前向きな影響と捉えることができます。

 また、大阪・関西万博の開催や統合型リゾート施設の誘致に加え、神戸市が再整備を進める須磨海岸では、サイクリストを淡路島へ運ぶ航路の開設を模索されるなど、大阪湾ベイエリアの開発により、周辺地域の活性化が見込まれます。本市におきましても、夢舞台サスティナブル・パークへの進出企業が内定をし、今定例会に関連議案を提出していますが、次世代のまちづくり、持続可能な地域デザインの先進地へと、大型プロジェクトを始動しています。

 このような状況をチャンスと捉え、これまで以上に、企業誘致の取組を強化してまいります。

 また、恵まれた自然豊かな環境の中にも、阪神間に近いアクセスの優位性を生かし、遊休地や遊休施設の積極的な利活用を図ってまいります。

 特に、西海岸(西浦)では、新たな民間施設の整備により、コロナ禍にあっても季節を問わず、交流人口が増加しており、遊休地・遊休施設の利活用の需要が高まっています。

 本市への企業の進出は、就業の場を増やし、人ロの増加へとつながり、地域経済の活性化など多くの期待と可能性を有しています。

 今後も、淡路市独自の誘致活動に加え、海外や国や県の取組についての情報収集に努めるとともに、誘致企業と地元産業との連携による相乗効果を生み出す制度や、アフターコロナを見据えた新たな支援制度の創設など、関係機関とも十分に連携をし、企業ニーズに即応した誘致に取り組んでまいります。

 次に、三つ目の「総合的観光施策の充実」です。

 日本遺産の認定を受けた歴史文化遺産や、周囲を海で囲まれた「島」という独自の景観、国生み神話の時代から「御食国(みけつくに)」と呼ばれてきた豊かな資源、世界一の吊り橋など、数多くの風土資産に恵まれる環境、西海岸を中心に多くの交流人口を生み出す民間の観光施設などの新たな資源を有効に活用し、魅力ある誘客対策を行うことで、新たな田園観光都市を目指してまいります。

 また、新型コロナウイルス感染拡大により、先行きが不透明な状況にありますが、淡路島として「淡路島総合観光戦略」の取組を進め、関西圏・首都圏向けの誘客推進など、一体的、広域的な観光施策を展開をして、国内外の観光客誘致に努めてまいります。

 令和4年度は、2023年に開催が決定した「デスティネーションキャンペーン兵庫」のプレイベントとして、県内各地を取り上げた誘客キャンペーンが予定をされています。また、大阪・関西万博の会場となる舞洲(まいしま)と神戸港、交流の翼港を運航する航路の検討や、須磨海岸の再整備による航路の模索、夢舞台サスティナブル・パークの開発、国営明石海峡公園淡路地区海岸ゾーンの開発等が進められることで、淡路市の魅力が更に高まるものと期待をしています。

 本市では、生穂・佐野地区周辺整備事業として、市民農園、農家レストランなどの基盤整備を進め、観光と農漁業を連携させることで付加価値を生み出すよう取り組んでまいります。また、コロナ禍により2年連続で中止となりました淡路市夏まつり大会等の継続事業を実施するほか、関係団体と連携を図り、SNS等、多種多様な情報手段を活用し、本市の魅力発信を推進します。

 次に、四つ目の「少子化対策」です。

 国においては、深刻な人口減少問題に対応するため、「少子化社会対策大綱」を策定して、少子化の主な原因を、未婚化・晩婚化と有配偶出生率の低下にあると分析をされています。経済的な不安定さや男女の仕事と子育ての両立の難しさ、家事・育児負担の女性への偏り、子育て中の孤立感や負担感など、様々な要因が複雑に絡み合い、未婚化・晩婚化が進行しています。

 また、新型コロナウイルス感染症の拡大は、若い世代に影響を与えており、本市の令和3年度の出生数は200人を下回る見込みとなっています。

 国の大綱では、「希望出生率1.8」の実現に向け、令和の時代にふさわしい環境の整備、国民が結婚・出産、子育てに希望を見いだせるとともに、男女が互いの生き方を尊重しつつ、主体的な選択により、希望する時期に結婚でき、かつ、希望するタイミングで希望する数の子どもを持てる社会を作ることを基本目標とされています。

 本市の状況をみてみますと、少子高齢化の進行に伴うライフスタイルの多様化や子育て世代における女性の就業率が高い傾向にあるなどの課題があり、きめ細やかな支援が必要とされています。

 子どもたちが健やかに育つ養育環境と、地域のふれあいの中で子育て支援に関わる様々な施策を通じて、家庭その他の場において、子育ての意義について理解が深められ、かつ、子育てに伴う喜びが実感されるとともに、次世代を担う子どもたちが地域のみんなに支えられ、心身ともに健やかに成長できるよう、

 1 全ての子どもたちが心豊かな成長や発達を支援する視点

 2 誰もが安心して子どもたちを産み育てたいと感じさせる視点

 3 地域社会が一体となって、子育て家庭を支援する視点

 この3つの基本視点から、安心して子どもを産み育てられる環境づくりに取り組みます。

 最後に、五つ目の「市民の安全・安心対策」です。

 目指すべき将来像に掲げる「いつかきっと帰りたくなる街づくり」の実現には、何よりも、住んでいる人たちが、安全・安心で快適に生活でき、住み続けたくなる街でなければなりません。

 誰もが住んで良かった、住み続けたいと思える環境整備、安全・安心な生活基盤の整備は、基礎的自治体、現場を預かる自治体としての果たすべき役割の根幹と捉えています。

 そのような考えの下、これまで取り組んできた暴力団対策につきましては、暴力団事務所の買収による引渡しが完了したことから、本年2月に、特定抗争指定暴力団の「警戒区域」から本市が外れ、地域住民の悲願でありました暴力団対策を終結することができました。建物利用については、危機管理体制の充実、移住者対策等、地元住民の意見を伺いながら、有効活用について検討を進め、地域の安全・安心につなげてまいります。

 令和4年度では、道路やため池、学校などの公共施設の強靭化に取り組み、南海トラフ巨大地震へ備えるとともに、地域防災計画に基づくコロナ禍での避難所機能の充実や、各種訓練の実施、自主防災組織等の継続支援に取り組みます。

 また、地域生活の基盤となる公共交通の維持・充実を図るとともに、将来に向けた生活観光交通の在り方の検討、公共交通空白地域の解消、自動車運転免許証返納の促進とサポートに取り組んでまいります。

 市民一人一人の自立と地域の絆を深め、市民・住民、地域、行政が一体となった安全・安心なまちづくりを推進してまいります。

 それでは、今定例会に提出しています市政運営の基本となる「第2次淡路市総合計画・後期基本計画」に沿い、市の将来像「いつかきっと帰りたくなる街づくり」の実現に向けた令和4年度の主要施策について、述べさせていただきます。

 

第2次淡路市総合計画・後期基本計画(2022-2026)

第1章 共に築く次世代につなぐまち(共生・協働・行政経営)

 一人一人がお互いを尊重し、市民の誰もが自分らしく活動できる共生社会の実現と、市民の誰もが主体的に参画する協働によるまちづくりを進めます。市民自らが築く次世代につながるまちづくりの実現に向け、効率的で効果的な市政運営に取り組みます。

 主要施策では、互いに尊重する共生社会の実現のため、人権意識調査を基に、人権まちづくり基本計画及び男女共同参画プランの見直しを行い、全ての市民が人権問題を自らの問題として認識をし、解決に向けて行動する社会、性別にかかわらず、一人一人の考え方や生き方が尊重され、その個性と能力を十分に発揮できる社会の実現を目指してまいります。

 協働によるまちづくりでは、市民・住民が主体となって行うまちの魅力づくりや、連携協定を締結した企業や大学等の協力を得ながら、地域が抱える課題解決に向けた取組を支援します。

 持続可能な行政経営(運営)の施策では、住民サービスの質の向上に向け、先端技術(AIやICT)や民間活力の導入を推進するとともに、研修を通じた職員の質の向上、事務事業の見直し等による効率的・効果的な組織づくりに取り組みます。また、ふるさと納税制度に対する積極的な取組により、引き続き、本市を応援してくれるファンづくりを強力に推し進め、その思いに応えるよう、魅力ある事業の創出に努めてまいります。

 

第2章 安全・安心で快適に暮らせるまち(定住環境)

 安全・安心で快適な生活を営むための生活基盤の計画的な整備によるまちづくりを進めます。また、これまでの自然災害の教訓を踏まえまして、防災体制の強化と市民の防災意識の高揚を図ります。

 主要施策では、定住拠点の整備として、遊休地や遊休施設を活用した積極的な企業誘致により、雇用の創出に努めるとともに、移住定住窓口や支援制度など、サポート体制の充実を図ります。また、新火葬場整備事業と一体的に実施する生穂・佐野地区周辺整備事業により、交流人口の増加を図り、移住から定住へとつなげる施策を検討します。

 また、自然と調和しました住環境の整備に向け、空き家対策を推進するとともに、地域ごとの景観保全やまちづくりの統一した方針を定めるため、都市計画区域の再編に取り組みます。

 公共交通機関の充実では、生活観光バスやコミュニティバスの維持に取り組みながら、淡路医療センター(県病)への南進化や公共交通空白地への対応について、検討を進めます。

 安全・安心対策の強化では、まず何よりも新型コロナウイルス感染症対策に万全を期すため、ワクチン接種を強力に推進をし、あわせて、小中学校特別教室の空調整備等の環境整備に取り組みます。また、河川の氾濫やため池の決壊を未然に防ぐための計画的な改修や、緊急輸送路を確保するため橋梁の耐震補強、道路等の強靭化等の事業に加え、ため池ハザードマップの作製や防災リーダーの養成、災害備蓄品の充実など、ソフト面でも地域防災力の強化に努めます。

 

第3章 支え合い健やかに暮らせるまち(保健・医療・福祉)

 市民の誰もが、いつまでも心身共に健康で生きがいを持ち、住み慣れた地域で支え合いながら、安心して暮らせるまちづくりを進めます。

 高齢者、障がいのある人や子どもとその家族を地域で支え合い、地域一体となって、重層的に支援する環境の充実を図ります。

 主要施策では、健康づくりの推進としまして、コロナ禍での健診受診控えの状況を打開するため、「健診受診率アップ大作戦」に取り組み、疾病や体質異常の早期発見、早期治療につなげます。

 支え合う地域福祉の推進では、拠点施設となる福祉会館が、本年12月に完成を予定しています。市民やボランティア団体、民生委員・児童委員、事業者、社会福祉協議会等の多様な主体による活動の支援を充実させ、誰もが安心して暮らしていけるまちづくりを進めます。

 高齢者福祉の充実では、住み慣れた地域で、自立をした日常生活を営むため、医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供される「地域包括ケアシステム」の充実に努めるとともに、いつまでも地域社会で活躍できる仕組みづくりに、積極的に取り組んでまいります。

 障がい者福祉の充実では、相談支援の中核的な役割を担う「基幹相談支援センター」の充実を図り、助け合い、支え合い、暮らしを共感することができるまちづくりに取り組みます。

 また、出会いから子育てにつなぐ一貫した支援の充実では、子育て学習センター機能の充実を図り、子育ての悩みや不安に関する相談機能の充実を図るとともに、子ども医療費助成の拡充により、子育て負担感の軽減に努め、ともに育ち、ともに育むすこやかに暮らせるまちづくりに取り組みます。

 

第4章 ふるさと淡路を学び創り育てるまち(教育)

 子どもたちが心豊かで確かな学力と生きる力を身に付け、ふるさとを学び育てるまちづくりを進めます。また、子どもから大人まで多様な学びの場を創出することで、生涯にわたり生きがいを持てる機会の充実を図ります。

 主要施策では、学校教育の充実として、「情報活用能力を基盤とする学び」、「最先端技術を取り入れた学び」などの特色ある教育を推進するため、タブレットを活用した「学びイノベーション事業」の充実に努めます。また、外国語指導助手の配置による外国語教育の充実を図るとともに、異国語、異文化に触れることにより、国際理解教育の充実を図ります。

 生涯学習の充実では、津名図書館がオープンから1周年を迎えることから、「ひと・知識・情報との出会いの場」の基本コンセプトの下、多くの市民が図書館運営に関われる仕組みの構築に努め、誰もが訪れたくなる環境整備に取り組みます。

 

第5章 地域資源と地域活力あふれるまち(産業)

 豊かな自然環境を守り育てる循環型社会や再生エネルギーの取組により、環境先進地として、持続可能な社会づくりの実現に取り組みます。

 また、歴史文化や地域特産物などの地域資源を磨き上げ、更なる活用を図ることで、地域や産業の活性化と連携が図られる地域経済循環型のまちづくりを進めます。

 主要施策では、環境先進地への取組として、地域特性を生かした新たな再生可能エネルギーの導入に向けた検討を進めるとともに、「ごみ活推進プロジェクト」により、ごみの減量化及び再資源化を強力に推進します。

 地域産業の活性化では、大規模農地の再整備や、市民農園や農家レストラン、水産加工施設の整備など、地域の基幹産業である農漁業の経営基盤の強化、6次産業化の推進や販路開拓など、様々な取組を支援します。また、農作物被害の軽減に向け、地域ぐるみで有害鳥獣の駆除対策に取り組むとともに、ジビエのブランド化など商品化の取組を支援します。

 また、中小企業の経営基盤の強化に対する支援を充実させるため、新規起業者補助事業において、地域での事業継続応援を拡充をし、担い手不足の解消と地域活性化を図るとともに、ふれあい商品券による市内の消費喚起対策など、地域経済の活性化も図ってまいります。

 観光振興では、新たな田園観光都市の環境整備に向け、市内観光拠点施設の充実を図り、兵庫県、淡路島観光協会及び隣接市との広域連携により観光資源の有効活用を図ります。

 地域資源の活用では、史跡指定10周年を迎える五斗長垣内(ごっさかいと)遺跡などで構成される日本遺産をはじめ、神代の昔から「御食国(みけつくに)」と呼ばれる豊かな食材、海に囲まれた「島」としての特性等を生かした施策を展開することで、相乗効果の期待できる取組へとつなげてまいります。

 以上、主要な施策につきまして、申し述べてまいりましたが、第2次淡路市総合計画やその他各種計画に基づき、「チーム淡路市」一丸となり、淡路市が目指す将来像へ着実にまちづくりを進めてまいりたいと思います。

 

(むすび)

 昨年は、コウノトリのつがいが淡路市内で巣作り、子育てを行い、ひな鳥「淡夢(あむ)」が無事、巣立ちました。コウノトリは、西洋では赤ちゃんを運んで来ると言われている縁起の良い鳥でもあります。これまで取り組んでまいりました様々な施策が実を結び、成果として現れる前触れとなることを期待するものであります。

 また、今年もコウノトリのつがいが飛来し、巣作りを始め、2回目の産卵が確認されました。夫婦円満を象徴する鳥でもあるコウノトリが、国生み神話の伊弉諾(いざなぎ)・伊弉冉(いざなみ)の尊(みこと)をお祀りする、ここ淡路市を選んだように、誰からも選び続けられる淡路市となるよう努めてまいります。

 市制20周年に向けたこれからの3年間は、コウノトリのように飛躍する礎を築かなければならないと認識しています。

 様々な課題もありますが、「チーム淡路市」による「合併市の総仕上げ・ふるさと淡路島 新時代へ」に取り組んでまいりたいと思っています。

 終わりに当たりまして、議員の皆様におかれましては、今後も公平・公明・公正な仕事を通じ、「愛と正義」につながる行政運営に、なお一層の御指導と御支援をお願い申し上げまして、また、市民・住民の皆様方の格別の御理解と、御協力を重ねてお願い申し上げまして、令和4年度の施政方針とさせていただきます。