○淡路市環境基本条例
平成25年6月12日条例第30号
淡路市環境基本条例
目次
前文
第1章 総則(第1条-第7条)
第2章 環境の保全と創造に関する基本的施策
第1節 施策の基本方針(第8条)
第2節 環境基本計画(第9条・第10条)
第3節 環境の保全と創造を推進するための施策(第11条-第20条)
第3章 地球環境の保全に関する施策(第21条)
第4章 環境審議会(第22条-第24条)
第5章 雑則(第25条)
附則
前文
私たちのまち淡路市は、淡路島の北部から中部に位置し、東に大阪湾、西に播磨灘を臨み、市の中央部を南北に貫く高原地帯が広がり、豊かな自然と文化、歴史的伝統に恵まれたまちである。
この恵まれた環境は、私たちが共有するかけがえのない貴重な財産であるとともに、心のよりどころでもある。
しかしながら、近年の大量生産、大量消費によるごみの増加、生活環境の変化により、自然の調和が損なわれようとしている。
また、今日の環境問題は、地域に限られた身近な問題から、地球温暖化、オゾン層の破壊など急速な経済の発展による資源やエネルギーの大量消費により、環境への負荷を増大させ、地球規模で深刻化を増している。
私たちは、ふるさと淡路市の誇る豊かな自然と歴史や多くの文化遺産に配慮しながら、健康で快適かつ文化的な生活を享受することができる自然と調和した良好な環境を保全し、将来の世代へ継承していく責務を負っている。
このような認識の下、全ての者の連携と協力により、命つながる「持続する環境の島」を目指し、環境への負荷の少ない持続的発展が可能な社会を構築し、優れた環境を創造するため、この条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、環境に関する施策の基本となる事項を定めることにより、その施策の総合的かつ計画的な推進を図り、もって現在及び将来の世代の市民の快適かつ健康で文化的な生活を営むことができる良好な環境の確保に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
(1) 良好な環境 現在及び将来の世代の市民が健康を維持し、安全で快適かつ文化的な生活を営むことができる生活環境、自然環境及び歴史的かつ文化的環境をいう。
(2) 環境への負荷 人の活動により環境に加えられる影響であって、環境の保全と創造上の支障の原因となるおそれがあるものをいう。
(3) 地球環境の保全 人の活動による地球全体の温暖化又はオゾン層の破壊の進行、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体又はその広範な部分の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全であって、人類の福祉に貢献するとともに、市民の健康で文化的な生活の確保に寄与するものをいう。
(4) 公害 環境の保全上の支障のうち、事業活動その他の人の活動に伴って生じる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の低質が悪化することを含む。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の採掘のための土地の掘削によるものを除く。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境(人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含む。以下同じ。)に係る被害が生じることをいう。
(5) 環境の保全と創造 公害その他の人の健康又は生活環境に係る被害の防止、自然の恵沢の確保等に止まらず、水や空気、そこに生息する動植物などの自然の構成要件を有効に活用することにより、環境にやさしく、潤いと安らぎを感じる快適な生活空間を創り出すことをいう。
(基本理念)
第3条 環境の保全と創造は、全ての市民が健全で豊かな環境の恵みを享受するとともに、この環境が将来の世代へ継承されるよう、適切に行わなければならない。
2 環境の保全と創造は、より環境への負荷が少ない循環を基調とした人と自然とが共生した持続的発展が可能な誰もが住みよいまちづくりを目指し、市、市民、事業者及び旅行等により市内に滞在する者(以下「滞在者」という。)がそれぞれの責務に応じた役割分担と協働の下、相互に連携しつつ適切に行わなければならない。
3 地球環境の保全は、人類共通の課題であるとともに、市民の健康で文化的な生活を将来にわたって確保する上での課題であることから、全ての事業活動及び日常生活において積極的に推進されなければならない。
(市の責務)
第4条 市は、前条に定める基本理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、現在及び将来の世代の市民が、豊かな自然環境の中で、健康で文化的な生活が確保できるように、市の自然的かつ社会的条件に応じた施策を策定し、市民、事業者及び滞在者との協力の下、環境の保全と創造に関する基本的かつ総合的な施策を策定し、これを実施しなければならない。
2 市は、基本理念にのっとり、環境の保全を優先し、環境への負荷の低減その他必要な措置を講じるとともに、市民、事業者及び滞在者の環境の保全と創造に資する取組の支援に努めなければならない。
3 市は、必要に応じ、国及び県等に対し環境施策に関する協力を要請し、良好な環境の実現に努めなければならない。
(市民の責務)
第5条 市民は、基本理念にのっとり、日常生活において、資源及びエネルギーの節約、廃棄物の排出抑制及び再生利用を推進し、環境への負荷の低減その他の環境の保全と創造に努めなければならない。
2 市民は、環境の保全と創造に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全と創造に関する施策に自主的かつ積極的に協力しなければならない。
(事業者の責務)
第6条 事業者は、基本理念にのっとり、自らの責任と負担において事業活動に伴って生じる公害を防止するとともに、環境への負荷の低減に努めなければならない。
2 事業者は、地域社会の構成員であることを自覚し、持続的発展が可能なまちづくりの推進に自ら努めるとともに、市が実施する環境の保全と創造に資する施策及び市民が行う環境の保全と創造に関する活動に参画し、積極的に協力しなければならない。
(滞在者の責務)
第7条 滞在者は、基本理念にのっとり、その滞在に伴う活動が良好な環境を損なうことのないよう、配慮しなければならない。
2 滞在者は、積極的に環境の保全と創造に努めるとともに、市が実施する環境施策に積極的に協力しなければならない。
第2章 環境の保全と創造に関する基本的施策
第1節 施策の基本方針
(施策の基本方針)
第8条 環境の保全と創造に関する施策の策定及び実施は、基本理念にのっとり、次に掲げる事項を基本的な方針として、その施策相互の有機的な連携を図りつつ、総合的かつ計画的に行わなければならない。
(1) 人の健康が保護され、生活環境及び自然環境が適正に保全されるよう、公害防止、生活排水による水質汚濁の防止、廃棄物の適正処理等により、大気、水、土壌その他の環境の自然的構成要素が良好な状態に保持されること。
(2) 市、市民、事業者及び滞在者は、学校、家庭及び地域において、環境への理解を深め、環境に配慮した生活及び事業活動を推進できるよう、環境に関する教育及び学習の推進、情報の提供等により、その意識の高揚が図られること。
(3) 生態系の多様化の確保、野生生物の種の保存その他の生物の多様性の確保が図られるとともに、森林、農地、水辺地等における多様な自然環境が地域の自然的社会条件に応じて体系的に保全されること。
(4) 人と自然との豊かな触れ合いが保たれるとともに、地域の歴史及び文化の特性を生かし、快適な環境が保全され、及び創造されること。
(5) 資源の循環利用、廃棄物の発生抑制及びエネルギーの有効利用等による環境への負荷の少ない持続的発展が可能な循環型社会を構築すること。
(6) 地球環境の保全が推進されること。
第2節 環境基本計画
(環境基本計画の策定)
第9条 市長は、環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、基本的な計画(以下「環境基本計画」という。)を定めなければならない。
2 環境基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 環境の保全と創造に関する長期的な目標
(2) 環境の保全と創造に関する総合的な施策の展開に関する事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進するために必要な事項
3 市長は、環境基本計画を定めるに当たっては、市民等の意見が反映されるよう必要な措置を講じるとともに、第22条に規定する淡路市環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。
4 市長は、環境基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、環境基本計画の変更について準用する。
(環境基本計画との整合性)
第10条 市は、環境に影響を及ぼすことが予測される施策を策定し、これを実施するに当たっては、環境基本計画との整合を図るとともに、環境の保全と創造に配慮しなければならない。
第3節 環境の保全と創造を推進するための施策
(環境の状況等の公表)
第11条 市長は、環境の状況、環境の保全と創造に関する施策の実施状況等を公表するとともに、審議会の意見を聴くものとする。
(規制等の措置)
第12条 市は、公害の原因となる行為、環境の保全に支障を及ぼす行為に関し、法令に基づく規制等の必要な措置を講じるものとする。
(経済的措置)
第13条 市は、市民、事業者及びこれらの者で組織する民間の団体(以下「民間団体」という。)が自発的に行う環境への負担の低減その他の環境の保全と創造に資する活動を促進するため、経済的な助成等必要な措置を講じるよう努めるものとする。
(市民等の参加)
第14条 市は、環境の保全と創造に資する施策を実施するに当たり、その施策を効果的に推進するため、市民、事業者、滞在者及び民間団体の参加、協力等が得られるよう、必要な措置を講じるよう努めるものとする。
(環境教育及び学習)
第15条 市は、環境の保全と創造に関する教育及び学習の推進並びに広報活動の充実により、市民、事業者、滞在者及び民間団体が、人と環境の関わり合い等の基本的な知識を習得するとともに、環境の保全と創造に関する活動を行う意欲が増進されるよう必要な措置を講じるものとする。
(調査研究の充実)
第16条 市は、環境の保全と創造に関する施策の策定に必要な情報の収集及び調査研究の充実に努めるものとする。
(監視等の体制の整備)
第17条 市は、環境の保全と創造に関する施策を適正に実施するため、環境の状況の把握に必要な監視、測定等の体制の整備に努めるものとする。
(情報の提供)
第18条 市は、市民、事業者、滞在者及び民間団体が環境に関する理解を深め、環境の保全と創造のための適切な活動を行うことを促進するため、個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ、環境の保全と創造に関する必要な情報を提供するよう努めるものとする。
(国及び他の地方公共団体との協力)
第19条 市は、環境の保全と創造を図るための広域的な取組を必要とする施策について、国、県及び他の地方公共団体と協力して、その推進に努めるものとする。
(推進体制の整備)
第20条 市は、市民、事業者及び民間団体と連携を図り、協力するとともに、環境の保全と創造に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、調整するため、必要な体制の整備に努めるものとする。
第3章 地球環境の保全に関する施策
(地球環境の保全への取組)
第21条 市は、地球環境の保全に資する施策を積極的に推進するため、必要な措置を講じるよう努めるものとする。
2 市民、事業者、滞在者及び民間団体は、その事業活動及び日常生活が地球環境の保全と密接に関係することに鑑み、市の施策に協力し、地域における地球環境の保全のための活動に、積極的に取り組むよう努めなければならない。
第4章 環境審議会
(環境審議会)
第22条 環境基本法(平成5年法律第91号)第44条の規定に基づき、環境の保全と創造に関する基本的事項を調査し、審議するため、審議会を置く。
2 審議会は、市長の諮問に応じ、次に掲げる事項について調査審議し、答申するものとする。
(1) 環境基本計画に関する事項
(2) 環境の保全と創造に関する基本的事項
(3) 前2号に掲げるもののほか、市長が必要があると認める事項
3 審議会は、前項に規定する事項に関し、必要があると認めるときは、市長に意見を述べることができる。
4 審議会は、委員15人以内をもって組織する。
5 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱し、又は任命する。
(1) 学識経験者
(2) 各種団体の代表者
(3) 市内の事業者
(4) 公募による市民
(5) 関係行政機関の職員
(6) 前号に掲げるもののほか、市長が必要と認める者
6 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 委員は、再任されることができる。
8 第5項の委員のほか、市長は、特別の事項を調査審議するため、必要があると認めるときは、審議会に臨時委員を置くことができる。
(会長)
第23条 審議会に会長を置き、委員の互選によりこれを定める。
2 会長は、会務を総理し、審議会を代表する。
3 会長に事故があるとき、又は会長が欠けたときは、あらかじめその指名する委員が、その職務を代理する。
(規則への委任)
第24条 第22条及び前条に定めるもののほか、審議会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
第5章 雑則
(委任)
第25条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
(施行期日)
1 この条例は、平成25年12月1日から施行する。ただし、次項の規定は、公布の日から施行する。
(施行前の準備)
2 第9条の規定による環境基本計画の策定の準備、第22条の規定による淡路市環境審議会の委員の委嘱又は任命に関し必要な行為その他の行為は、この条例の施行前においても行うことができる。
(淡路市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)
別表プロポーザル候補者選定審議会の項の次に次のように加える。

環境審議会

会長

日額

8,000円

委員

日額

6,400円